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俺の先生  作者:
5/7

4.新学期



この回から

話が動きますw

書いてて楽しいw

続き早く書きたいぜw




「ほら起きろ祐樹!入学式!」

 勢いよくめくられた布団の中で、俺は丸まっていた。

「神城さん…乱暴だよ」

 朝日と神城さんの視線を浴びながら、眠い目を擦る。上体を起こし時計をみると、まだ6時。

「…つか、早くね!?」

 入学式は9時からなんだけど。

「早くない!これからは毎日6時起きなんだから、習慣付けだっ」

 そういって俺の両頬をペチペチ叩いた。仕方なく、のそのそとベットから降りる。…う、寒い。

「朝飯作ってるから、さっさと準備しろよなー」

 忙しなく、神城さんは一階へいった。仕方なく、俺は制服に着替えた。

 新品のブレザー。身に纏うと眠気が一気にとんだ。

「ぅしっ!!」

 気合いの一言。駆け足で階段を降りる。あ、いい匂い。

 リビングへ行くと、神城さんが料理中だった。

「いい匂いだね」

 俺に気づいた神城さんが振り向いて、俺の制服姿を眺めた。

「やっぱ祐樹、似合ってるな」

 そして優しく微笑んだ。とても嬉しい。

「朝飯、もう少しだから。顔洗ってこい」

 頷いて洗面所へ向かう。鏡の前に立ち、自身の顔をみる。

「うわ、カッコ悪」

 多大な数の妖怪アンテナが。ひとまずブレザーを脱ぐ。この寝癖は水で直るのか…。

 蛇口を右に捻る。勢いよくでたぬるま湯で手を濡らし、髪に馴染ませる。なおる気配なし。この量の水じゃなおらないと察知し、蛇口の横にあるミニシャワーを手に取る。

 こんどは蛇口を左に捻る。シャワーからぬるま湯が勢いよく出る。よし、これなら。頭とついでに顔も洗える。

「………長いと思った。シャワーかよ」

 一心不乱に髪を洗っていた俺に声をかけたのは神城さん。

「あ…ごめん。寝癖ひどくて」

 蛇口をひねり、水を止めた。タオルで頭と顔を拭きながら苦笑い。と、謝罪。

「構わんが。飯」

「うん。ありがと」

 まだ湿ってる髪を整え、ブレザーを羽織る。神城さんの後についてリビングへ。

「うまそぉ!」

 まぁいつもとあまりかわりない朝食。テーブルの上には目玉焼きとウインナー、豆腐の味噌汁と白米。日本の朝食。美味そう。

「ほら座れ」

 そそのかされて食卓テーブルに座る。神城さんは俺の前に座る。

 この生活も、すっかりなれたもんだ。

「いただきます」

 二人声をあわせて合掌。熱々の味噌汁を啜る。

「ん、うま!」

 俺の言葉に笑顔で答える神城さん。それから神城さんも味噌汁を咀嚼。

 二人黙々と食べ続ける。会話はない。いつもは俺がなにか話をするんだけど、今日はなんだか緊張して話せない。

「今日しずか」

 神城さんが俺を見る。

「いやなんか…緊張してて」

 くすりと神城さんは笑う。なんつぅか、純粋な少年みたい。

「落ち着いとけよ。あんま固いと疲れるし」

 神城さんが箸を置いた。皿を見れば、もうきれいさっぱりなにもない。

「はや…」

 思わず口から言葉がでる。

「今日は仕事早いから」

 流しに食器を置く。洗わずに、洗面所へ。

「ふーん……」

 俺もさっさと食っちゃおう。ゆっくりしたいし。

 箸を動かすペースをあげる。皿の上の食べ物が徐々に消えていく。



「俺もう行くなー。鍵よろしくぅ。時間あるなら、食器もよろしく」

 そう言い残し、神城さん出勤。時計を見る。7時15分。いつもは8時とかなのに。

 俺は二人分の食器を洗いながら考えた。

 そういえば俺って、神城さんが何してる人か知らなかった。仕事行くときはスーツだし、荷物もそんな無い。そんな職業たくさんあんだろ。見かけだけで当てるなんて無茶な。

 まぁいいか。神城さんが帰ってきたらゆっくり聞こう。

 そうして俺は学校へ向かった。







 S高。俺が夢にまでみたS高。やっとこの日が来た…!

 玄関に貼ってあるクラス割りで自分の名を探す。俺は1年4組。

 このS高には中学の頃の友達はいなかった。知った顔のやつはいても、喋らないやつばかり。新しい人間関係づくりに、胸を膨らます。

 控えめに、教室の戸をあける。教室の中には半数くらいの人がいた。教室の戸に貼ってあった座席表通りの席にすわり、鞄を横にかける。予想外に賑わっている。

 なんと俺の席は窓側で、授業中でも外が見える。退屈しなくていいな。

 俺が何気無く窓の外を見ていた時だった。

「よっす。お前どこ中?」

 前から声をかけられた。驚いて声の主をみる。誰がみてもイケメンと答えるであろう、爽やかくんがいた。

「え、B中…」

「まぢ?近いな!俺K中だった!!」

 にぃっと白い歯を見せて笑う少年。ハートを撃ち抜かれそうだっ!!

「俺、高島夏輝(タカシマナツキ)よろしく」

 右手を差し出されたので俺も右手を出す。互いにぎゅっと握る。

「俺は鶴田祐樹。よろしく」

 こんなすぐに友達らしきものが出来ると思ってなかったから面食らう。

 軽い自己紹介を終えた俺たちの耳に校内放送が。

『新1年生の皆さんは廊下に出席順に整列後、第1体育館へ移動してください』

「うーわ。入学式かぁ…俺寝ちゃうかも」

 高島が笑いながらぼやいた。確かに退屈だよな…。

 そして俺たちは体育館へ移動し、退屈な入学式に参加した。




「うわーつかれたっ!」

 教室に戻った高島の開口一番がそれかよ。椅子の上で大きくノビをしている。

「校長、話長かったな」

 なんて入学そうそう校長の悪口を言って盛り上がっていたとき、教室の戸が勢いよく開いた。

「ぅおっ!あれ担任じゃね!?」

 ひそっと耳打ちする高島。入ってきた男は黒板前にある教卓の前に立った。

「じゃ、相川くん。挨拶しようか」

 騒がしかった教室も、男が入ってきた為静かになっていた。男は出席番号1番の相川に号令を求めた。

 俺の心臓が、おおきく脈打つ。

 そんなはずは…と思考が止まる。

「あ…きりーつ」

 相川の号令に従って皆立つ。俺もつられて立ち上がる。

「気をつけ、おはようございます」

 クラス全員が挨拶をするなか、俺は目を丸くしたまま立ち竦んでいた。

「着席」

 ガタガタと騒がしく音を立てて皆が座る。もちろん俺も。

「―――はい。皆入学式お疲れ」

 男が話始める。その声はとても聞き覚えがあって――――


「俺はこのクラスの担任になる、神城隼人だ」


 時と思考と息が止まって。

 …………俺はなにを見ているのか理解していなかった。







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