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俺の先生  作者:
4/7

3.電話の相手

 連れられた場所は、S高から徒歩35分のところにある、ちょっと大きい家。

「俺の友達ん家。ここに住ませてもらう」

 ぽんと背中を叩かれても…。展開が早すぎやしないか?

 なんでも、兄ちゃんの引っ越し先は会社が手配していたみたいでいつでもOK状態らしくて、向こうに馴れる為にはなるべく早い方がいいわけで。

 今に至るのか。


  ピンポン

 兄ちゃんの指がインタホンを押した。数秒、間があって聞いたことある声が。

「おぃーっす……なんだ、俊明」

 ドアを開けながら気だるそうに言う男。聞いたことある声……?

「わりぃな隼人。こいつ、祐樹」

 ちら、と細い目でこちらを見る。ふ、と口元を歪めた。

「この前の電話の……。はじめまして」

 電話の…?

 あっ!この人〈神城〉!?

「俺、神城隼人。よろしくな」

 す、と右手を差し出された。俺もあわてて右手をだした。握手。

「じゃ、隼人よろしく!もう電車時間だから行くな!祐樹、すまんな」

 最後に兄ちゃんは、俺の頭を撫でていった。兄ちゃんの後ろ姿を見送る。

「さ、入りなよ。少し冷える」

 神城さんに促され、俺は中へ入った。








 神城さんの家は広かった。簡単に家のなかを案内してくれたあと、俺の部屋に連れられた。俺の部屋は二階だった。

「ここは君の部屋。自由につかいな。もちろん家の中も自由にな」

「あっありがとうございます」

 神城さんは少し笑って、部屋から居なくなった。肩から提げていた大きなカバンを床におろす。

「広いなー」

 俺の部屋も、それなりに広い。とりあえず俺は、荷物の整理にとりかかった。









「なに?バイトするの?」

 晩飯中、神城さんとの会話。

「はい、まぁ。居候させてもらってる訳だし、生活費とか俺の分は払いますから」

 神城さんは箸を置いて一息ついた。

「いらない」

 俺を見て言ったから飯の話じゃないんだろう。

「へ…?」

「金はいらない。別に、不自由してないから」

 おぉ金持ち発言。

「まぁバイトしたいならいいと思うけど、S高生なら勉強は怠るなよ」

「わかってますよ」

 神城さんはにこりと微笑み、また米を咀嚼し始める。

 笑顔に少しきゅんとしたのは、内緒。










神城隼人(カミシロハヤト)

俊明と同い年




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