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俺の先生  作者:
2/7

1.新居にて



この回から本題とかいってたけど

まだっぽいねw


次かなー…w







 埃っぽい手をパンパン、と二回叩く。目に見えて、埃が舞う。

「これで全部だ」

 兄ちゃんのアパートに引っ越し完了。

「祐樹、終わった?」

 部屋をひょいと覗いたのは、兄の俊明だった。さっきまで出掛けていて居なかったのだが。

「兄ちゃん!終わったよ!ありがとな」

 兄ちゃんはふにゃりと笑って「おー」なんて言いながら去った。


 片付いた部屋を後にし、兄ちゃんの部屋を覗く。兄ちゃんは着替えていた。薄水色のワイシャツに青のネクタイ、ピシッとスーツを着こなしている。

「仕事か?」

「そう、これからなんだ」

 眼鏡を外してコンタクトをつける。個人的には、兄ちゃんは眼鏡が似合う。

 よし、と一言、兄ちゃんは鏡から離れ俺の前に来た。

「悪いな、明日の朝まで帰れないんだ。晩飯、一人で食えるよな?」

 ぽん、と頭に手をのせられる。いつまでも子供扱い…なんだけど、俺は兄ちゃんの手が好きだから構わない。

「大丈夫だ、心配すんなっ」

「ん、いいこだ」

 くしゃくしゃと髪を乱される。俺はされるがままだった。

「じゃ、行くな。寝るときは鍵確認しろよ」

 忙しなく、兄ちゃんは出ていった。家に取り残される。…なんだか寂しい。


「あー、退屈だ」

 自室に戻り、ベットに倒れ込む。天井の木目をぼんやり眺めた。

 引っ越しやなんやらで疲れていた俺は、うとうと微睡みかけていた……。





  プルルルル…

  プルルルル……

「ぅわっ!」

 無人の家に鳴り響く電話のコールに俺は起こされた。慌ててリビングにある電話の受話器を取る。

「もっもしもし!」

『あ…あれ?俊明…じゃないよな。だれ?』

 聞き覚えのない、男性の声。

「あ、えと、にいちゃ…俊明の弟です」

『弟?そう。俊明は?』

「仕事です」

 ふぅん、と興味無さげに返事をする男。向こうも無言、俺も無言。重い空気…。

 切ろうかなぁなんて考えはじめた俺に、男が声をかけてきた。

『君名前は?』

 見知らぬ人に名乗っていいのか迷ったが、よく考えたら兄ちゃんの知り合いか。

「祐樹、です」

『ユウキ君か。今いくつ?』

「15歳です。4月からS高生です」

『S高?………へぇ』

 男は意味有り気に笑った。

『まぁいいや。俊明帰ってきたら〈神城から電話あったよ〉って伝えといてくれるかな』

 神城…恐らくこいつの名前。

「わかりました神城さん」

 じゃあ、とお互いに挨拶を交わしたあと受話器を置いた。



 俺はやはり疲れていたので、晩飯を軽く済ませ、さっさと眠りについた。







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