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トワのセカイ  作者: 小桜 天那


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第六話 おぞましい部屋(2)

 お昼になり、私は朝にセカイさんが作ってくれたお弁当を一人で食べ、引き続き午後も閑散とした店内で睡魔に襲われながらも、紙一重で店番をしていました。

 流石にこれではいけないと目の前に新製品のアイデアノートを広げます。

 さっきの老夫婦の事を思いだし『蚊取りオーブ』の更に改良版、又は別バージョンを考えてみるのもいいかもしれません。

 例えば、あのパッ○マンみたいな容姿を妖精のように可愛くするとか。

 そして、獲物を見つけて捕らえる時に大量の触手を出して確実に捕獲する。

 名前は『クリオネン』

 これはナイスアイデアかもしれません。大型のものを作る事が出来れば防犯にもなります。

 今度セカイさんに提案してみましょう。


 更に時間は過ぎていきますが、お客さんの来る気配は全くありません。

 セカイさんが倉庫の整理も早く終わり午後には顔を出すかなと思っていましたが、思ったよりも時間がかかっているのかもしれません。

「余り気は進まないのてすが、アレを使ってみますか……」

 アレとは以前倉庫に入った時の経験を踏まえて、もしもの時に倉庫の内部が監視出来るように、壁に少女の絵が描いてある額縁を、内部のほぼ全体が見える高い位置に飾りました。

 ものすごい勇気を振り絞って倉庫内に入ってきました。怖かったです。

 少女の絵と私の視覚、聴覚を繋げて中の様子を伺う事が出来ます。要は監視カメラみたいな物です。

 ちなみにアイテム名は『壁に耳あり障子にメアリー』です。


 私の魔力を送ってメアリーを起動させます。

 すると頭の中に今の倉庫の様子が展開されます。中にはセカイさんの姿はありません。奥の部屋へと続く扉が見えますがその中でしょうか。それとも一旦自室に戻っているのでしょうか。

 倉庫内は何事も無く、ただ静寂だけが支配しています。所々不気味な人形や変な形の像など見えますが気にしないようにします。

 特に何も無さそうなので通信を切ろうとしたその時、何か物音がしました。

 ────カタ……カタ……カタカタ…………

 メアリーをほぼ全体見える場所に飾ってあるといえ、どうしても視角も出てしまいます。視野の下、手前の方は隠れてしまって見えません。そこにセカイさんはいるのでしょうか。

 すると突然、視野の右下に見える木製の箱が大きく揺れ始めました。

「!!!」

 ────ケタケタケタケタケタ。

 その後、箱の揺れが納まってすぐに、続いて視野の左、真ん中ぐらいに映る棚の所にあるセラミックのピエロの人形が振動して笑い始めました。

「!!!!!!」

 更に視野の左上、棚の一番上に置いてある外国製の赤ちゃんの人形が……。

 ────グリン。

「!!!!!!!!!」

 こっちを見ました。

 ブツン! 強制シャットダウン。

「私は何も見てません。何も見てません。何も見てません………………」

 ……トラウマになりそうです。


 ひたすら無心になり、あの恐ろしい光景を忘れようとしているうちに、そろそろ夕暮れも近いという時間になってきました。結局今日はお客さんはあの老夫婦以外は来ませんでした。

「本当にセカイさんも今日は来ませんでしたね」

 いつも横にいる時には鬱陶しい事もあるぐらいですが、いないとちょっと……ちょっとだけ寂しいものです。

 閉店時間までまだ少しあるのですが、今日はもう店を閉めて帰りましょうか。



「ただいま帰りましたー」

 玄関を開け、家の中を見ますが何の返事も無く、人の気配も感じられません。念のためリビング、キッチン、セカイさんの部屋などを見ましたが何処にもいませんでした。

「まだ倉庫にいるんでしょうか?」

 あの倉庫ですから色々と時間がかかっても仕方ないのかもしれませんが、あそこには先程メアリーで見た通り怪しい物がある上、以前私がセカイさんをケガさせてしまった物のように実質危険な物もあります。

 セカイさんは自分で集めてきた物を倉庫にしまって管理しているので、中にある物は把握しているはずなので、私みたいに変な物に引っかかる事はないでしょうが……。

 万が一という事もありますし、一応確認してきた方がいいでしょうか。

「…………………………………………」

 なかなか足が動かないです。流石にあんなものを見た後では気楽に行ける場所じゃありません。猛獣の檻にわざわざ飛び込んでいくようなものです。

「ハア…………」

 とはいえ、迷っていても仕方ないので、私が倉庫の扉をあけるまでの間にセカイさんが戻ってきてくれるのを願いつつ、家の裏手にある倉庫へと歩を進めました。

 気持ち牛歩で……。

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