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『異世界アンチノミー ――翼神の箱庭――』  作者: めざしと豚汁


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99/116

99.怪物たちの決着

俺は、村を後にして再び練兵場に戻った。

そのまま、公爵の元へ向かうつもりだったが中庭に立つアズィと座り込むリッカが目に入り早くも再会を果たしてしまった。


「俺の決め台詞を台無しにしやがって」

アズィに呪いの言葉を吐くとアズィは上機嫌な様子で手を広げた。

「なんなんだよこれ、力よりお前の度胸に心底震えたぜ。なあ、いっそ俺と組んで世界を支配しようぜ?」


「俺はお前と違って支配に興味はない」

「そうか残念だ」

「何しに来た?逃げるんじゃなかったのか?」

「気が変わった。リッカ立て」

無言で立ち上がるリッカ。


「村はどうだった?」

「…」

「どうだった?」

アズィは、リッカの首に短剣を押し当てた。

「全滅してたよ」

「聴いたかリッカ、全滅だとよ。でも安心しろ、見ての通りカゾヤマがしっかり仇を討った」

リッカは震えながら俯いている。

「あんたは何がしたいんだ?」


「娘の病気を治療してんだよ。愛とかいう病気のな」


「リッカ…」

「カゾヤマ…平気よ…」


「あ?いけねえな、こいつは重症だ。さっきまで小便漏らすほどお前に恐怖してたくせにお前を見たら、まーたこれだ」


「なら諦めろよ」

「だよな、やっぱりお前もそう思うか」

「?」

「んだよ、俺が折れたらおかしいか?」

「なら、さっさとリッカを解放しろ」

「偉そうに」


脇腹を衝撃が貫いた。矢が深々と刺さっている。


「ぐあああ!」

「うるせえ。死なねえくせに」

「…クソッ」


「お前は正体を晒した、だがリッカはお前をまだ受け入れている。つまり俺はお前ら2人をどうやっても支配できなかった、もう手札はねえから負けを認めるぜ。だがよ、勝たせる気もねえから今から無理心中だ」


「…何を、言って…る」

「今からリッカを殺す、お前は俺を殺して死ぬが、お前は生き返ってもリッカはいねえ。そして、絶対に届かない愛という病気に苦しみ続ける。ざまあみろだぜ」


「…めろ」


「おっと、顔色が良くねえな。またの機会じゃ俺もお前も興醒めして台無しだ。リッカも添い遂げられて満足だろ?」


アズィがリッカの喉を掻き切るのが見えリッカは崩れ落ちた。そして満足そうなアズィが轟音と共に血煙になるのを見ながら俺は死んだ。





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