101.イレギュラー
「あれ、でもどうやって話せばいいのかなこれ? この人チュートリアル聞いてないし、うーん」
「おい」
「君たち再生者は異世界に飛ばされてきました。能力はあげますが、使うと怪物扱いされるからなるべく使わないでください、病気にはなりません、万一死んでもここからリスタートできます――以上!」
「雑にチュートリアル済ませやがって。それで?」
「リッカさんの正体ってやつ? 平たく言うと、お母さんはこっちに来た時妊娠してた。こっちで産まれたのがリッカさんだから、リッカさんはイレギュラーの再生者なのです」
「その設定エキセントリック過ぎない?」
「だから知らないよお。ボクはチュートリアル係だよ?」
ネオンの上位者――システムと呼ぶとして――胎児のリッカを“個”として認識し、転移者扱いした。
これが真相なのだ。
「リッカ、何を話しているか分からないだろうけど、リッカは俺と同じ再生者なんだ」
「でも私には力なんてないよ?」
「ここでもらうものだからな。リッカはこれから本をもらえるのか?」
「ボクには対応できないよお。でも公正中立は絶対だから、また聞いてみるよ」
嫌そうに言うネオンは、先ほどと同じような会話をしてため息をついた。
「残念だけど、ボクの出番はここまでだって。外に迎えが来てるそうだから、あとはそっちで聞いてよ。じゃあね」
部屋の明かりが消え、ネオンは一方的に消えた。ホスピタリティ減点。
リッカが、様々な感情てんこ盛りで抱きついてきた。
「なにがなんだかだけど、あいつから逃げられて、カゾヤマと一緒にいるのが夢じゃないなら……もうどうだっていいわ」
「そうだな。ただ、迎えって誰だ? まさかヤマノじゃないだろうな」
「いかなきゃいいんじゃない?」
「ここには水も食糧もないんだ」
「そうだった」
「何にせよ会ってみるしかない」
「分かった。でも服は着てね」
……そうだった。
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