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『異世界アンチノミー ――翼神の箱庭――』  作者: めざしと豚汁


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101/116

101.イレギュラー

「あれ、でもどうやって話せばいいのかなこれ? この人チュートリアル聞いてないし、うーん」


「おい」


「君たち再生者は異世界に飛ばされてきました。能力はあげますが、使うと怪物扱いされるからなるべく使わないでください、病気にはなりません、万一死んでもここからリスタートできます――以上!」


「雑にチュートリアル済ませやがって。それで?」


「リッカさんの正体ってやつ? 平たく言うと、お母さんはこっちに来た時妊娠してた。こっちで産まれたのがリッカさんだから、リッカさんはイレギュラーの再生者なのです」


「その設定エキセントリック過ぎない?」


「だから知らないよお。ボクはチュートリアル係だよ?」


ネオンの上位者――システムと呼ぶとして――胎児のリッカを“個”として認識し、転移者扱いした。

これが真相なのだ。


「リッカ、何を話しているか分からないだろうけど、リッカは俺と同じ再生者なんだ」


「でも私には力なんてないよ?」


「ここでもらうものだからな。リッカはこれから本をもらえるのか?」


「ボクには対応できないよお。でも公正中立は絶対だから、また聞いてみるよ」


嫌そうに言うネオンは、先ほどと同じような会話をしてため息をついた。


「残念だけど、ボクの出番はここまでだって。外に迎えが来てるそうだから、あとはそっちで聞いてよ。じゃあね」


部屋の明かりが消え、ネオンは一方的に消えた。ホスピタリティ減点。


リッカが、様々な感情てんこ盛りで抱きついてきた。


「なにがなんだかだけど、あいつから逃げられて、カゾヤマと一緒にいるのが夢じゃないなら……もうどうだっていいわ」


「そうだな。ただ、迎えって誰だ? まさかヤマノじゃないだろうな」


「いかなきゃいいんじゃない?」


「ここには水も食糧もないんだ」


「そうだった」


「何にせよ会ってみるしかない」


「分かった。でも服は着てね」


……そうだった。


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