7-16 sideルイス(ハヤト)
ハリエットの言葉に、俺の時は止まった。
「えっ…えっ…?!」
あまりにも予想外の理由に俺が驚いていると、
「ハヤトが女性から告白されるたびに、なぜ付き合わないのかをいちいち尋ねていたのは、私…ユウヤがハヤトのことを好きだったからだと気づいたのです」
ハリエットは微笑んでそう言った。
「そんな…そんなっ…」
信じがたいハリエットの言葉に、俺は動揺した。
そして
「俺はっ…あの修学旅行の時…最終日に…ユウヤに告白しようと思ってたんだっ…!」
と、前世で心に決めていたことを言ってしまった。
するとハリエットは、
「あら…もしその時告白されていたら、私…ユウヤはお断りしたと思いますわよ?」
と、しれっと言った。
「えっ…?!」
俺が絶句していると
「だってその頃は私…ユウヤは、ハヤトのことが好きだなんて自覚していなかったのですもの。ハヤトを愛していたのだと気づいたのは最近なのですから」
ハリエットはまた、けろっとした顔で言った。
「なんなんだよマジで…」
俺が呆けていると、ハリエットは
「私たちは前世では思いがすれ違っていたので、結ばれることはありませんでしたわ。それは私が…ユウヤが自分の本当の気持ちに気づいていなかったせいです。けれど、今世では…ハリエットとして生まれてきたこの世界では、前世の己の気持ちに気づくことができたのです。これって、運命だとは思われませんか?」
と笑ってそう言った。
「運命…」
ああ、そうか。
前世で告白してたら、俺は失恋してたんだ。
この世界に転生してきて、また巡り合ったから、思いが通じることになったんだとしたら、それは間違いなく運命ってやつだろう。
何もかもがすとんと腑に落ちて納得した俺は、ハリエットに言った。
「ハリエット…ユウヤ、愛してる」
「私も愛してますわ、殿下…ハヤト」
ハリエットも答えてくれて、俺たちは顔を見合わせて笑った。
俺たちの大切な話が終わる頃、レイズたちも中庭に出てきた。
レイズが小走りで近づいてきて
「愛の告白タイムは終わった?」
と俺に尋ねてきた。
「ああ…」
俺が笑って返すとレイズは
「そっか、よかったね」
と笑ってハリエットの方を向いた。
「ねえハリエット。ハリエットは僕の前世が誰かわかる?」
とレイズがいきなり言うと、ハリエットは凍った。
「えっ…レイズ様…も…?!」
驚くハリエットに、
「僕は…私はマユで、アンリエッタがリオだよっ」
とにかっと笑ってレイズが言うと、
「?!?!?!?!」
レイズの言葉に、ハリエットの頭は完全にパンクしたようだ。
「…で、誰かは知らないけど、クラリアも転生者…ってのは気づいてるよね?」
レイズが言うと、ハリエットはこくこくとうなずいた。
「おい…勝手にそんないっぺんにバラしていいのか?」
と俺がレイズに言うと、
「大丈夫、アンリエッタには許可もらったよー。クラリアはシラネ」
とレイズは笑った。
「とにかくこれで、みーんなハッピーエンドだねっ!」
「まあ…そうだな」
レイズの言葉に俺が同意すると、レイズは続けた。
「”恋に恋するアンリエッタ”のヒロイン・アンリエッタはレイズルートをクリアして、最難関攻略対象者ルイスはハリエットと結ばれて、ゴードンはモブと結ばれて…あれ、ルードはどうなるのかな?」
俺とハリエットはぷっとふきだした。
「確かにそうだな」
俺がおかしくって笑い過ぎていると
「ルード様はどうなるのでしょうか?」
ハリエットも笑って言うので
「ルードはルイスの弟シモンとくっつけばいいねー!」
とレイズが言った。
「お前、いいかげんにしとけよ!!」
と怒りつつも俺が大笑いしていると、アンリエッタとゴードンとクラリアも寄ってきた。
この世界でこれからも俺たちの人生は続いていくが、”恋に恋するアンリエッタ”は大団円を迎えたと言えるだろう。
これにて”恋に恋するアンリエッタ”のゲーム内?でのパートは終わりです~。第8章からは彼らのその後を書いていきますので、またよろしければお読みください~




