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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第7章 新たな転生者と大団円への道

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7-10 sideゴードン(ニシダ先生)

レイズの言う”モジョ”とはいったいどのような人生を送ればそうなるのか、俺にはさっぱりわからなかったので、

「その…モジョについてもっと詳しく教えてくれないか?」

とレイズに聞くと、

「おっけー、先生そーゆーの知らなそうだったもんね」

レイズは快諾してくれた。

「喪女っていうのはね、喪服の喪に女って書いてモジョって読むの」

レイズの言葉に

「…それは…あまり良い意味はなさそうだな…」

と俺は驚いた。

レイズは少し笑って、

「うん、まああんまいい漢字当たってないのは事実だね」

そう言った。

「でもさ、私たち腐女子とかオタク女子は誰でもそうなる可能性があるんだよ。ボッチで友達もできなくて、ひとりでカラにこもってたら…特に男に免疫なかったりしたら、喪女になる可能性はあるんだ」


レイズの言葉に、俺はまた胸が痛くなった。

「…クラリアは、前世でそういう子だったってことか…?」

俺が尋ねるとレイズは

「うん、十中八九そうだと思う。しかもそれなりの年だったんじゃないかな?」

と言った。

「ん?喪女とやらは少女でなくてもなる可能性があるってことか?」

と俺が疑問を投げかけると、

「そうだよ。十代どころか二十代…アラサー女子でもありうるよ」

レイズはこともなげに答えた。

そして

「私の勘だけど、クラリアの言動から察するに、クラリアは前世二十代くらいだった喪女じゃないかなって思うんだ。セリフ噛みまくっても、悪役令嬢っぽくふるまうこともできたぐらいだからさ」

レイズはそう言った。

「だから、俺たちと同じ時に同じ状況で死んだクラスの奴らじゃないだろうって…そういうことか?」

とルイスが問うのに、レイズはうなずいた。


なんてことだ。

それならクラリアが孤立してしまうのも無理はないだろう。

俺の生徒たちではなかったとしても、俺は彼女を救いたい。

そんな風に思うのは俺のエゴかもしれないが、何とかしてやりたい…と思った。

「でな、レイズが言うには、クラリアの前世での推しはゴードンなんじゃないかってことなんだ」

とルイスが言った。

「は?クラリアはレイズと婚約したがってたんだろ?なんでゴードン推しなんだ?」

不思議に思って俺が言うと、

「あのね、喪女って三次元の男に免疫ないんだよ。だから二次元のゴードンに恋してても、この世界で三次元の…筋肉もりもりのごっついゴードン見たら、ちょっと怖気づいちゃったんじゃないかな」

レイズはそう言った。

「…喪女って複雑なんだな…」

俺は訳が分からずそう言うしかなかった。


レイズの言う通りだとすれば、俺にはクラリアに何ができるだろう?

今もひとりで淋しい思いをしているあの子…あの子ってのは失礼か。

もし前世二十代だったとしたら立派な大人の女性だ。

よし…

俺は腹を決めた。

「わかった。俺はクラリアに俺の前世を明かす」

ルイスとレイズは驚いた顔をしたが、

「やっぱり?先生ならそう言うと思ったよ!」

とレイズは笑った。

「…俺はお前に踊らされたってことか…?」

レイズにそう聞くと、レイズは

「そうじゃないよ。先生ならあの子…クラリアを救ってくれるって思ったんだよ」

そう言った。

やっぱりレイズは…マユは、いい子だ。


「俺は明日からどうすればいい?」

俺がレイズに尋ねると、

「そうだね…私たちの前世のことは明かさずに、ゴードンがクラリアと仲良くなった頃にゴードンの前世を明かしてくれればいいと思うよ。そしたらきっとクラリアも自分の前世のことを明かすだろうし」

とレイズは答えた。

「それから?それから俺はどうすればいい?」

と俺が聞くと、レイズは

「そっから後はゴードン次第だよ…頼りにしてるよ!」

と、にかっと笑った。

俺次第…俺がクラリアを救える道とはいったい…?

俺はその夜、散々悩み続けることとなった。

 

しばらく一日一本投稿になるかもです。ドラクエⅠ&Ⅱリメイクやりたいw←

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