表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第7章 新たな転生者と大団円への道

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/112

7-8 sideレイズ(マユ)

クラリアの暴走も何とかおさまって、私たちはやっと落ち着いた。

アンリエッタがどこかに走って行ったと思ったら、新しい保温カップに紅茶を入れて持ってきて、まだへたりこんでいるクラリアに

「地面は冷えますので、お立ちになって?」

と優しく笑った。

それでもまごついているクラリアに、

「紅茶を入れてまいりましたので、よろしければお飲みくださいませ。お心が落ち着くかもしれませんわよ?」

とアンリエッタはクラリアが立つのを待ってから、カップを手渡した。

するとクラリアは

「…やっ優しい…まぶしいっ…これが、これがヒロイン力…?」

と、手を自分の目の上にかざして、まぶしいのポーズをした。

「まあ、私はただの平民…商家の娘ですわよ」

とアンリエッタはほほえんだ。

デフォルトのアンリエッタより、よっぽどヒロイン感あるわ。


ルイスが

「こっちのベンチは満員だから、そっちのベンチに座って紅茶を飲んで落ち着けよ」

とクラリアに言うと、

「まぶしいっ…さすが最難関攻略対象者…顔面偏差値ハンパないっ…!」

またクラリアがオタクくさい言い方をした。

実はこの場にいる全員が転生者だってことを、クラリアが知ったらどう思うだろう?

そう思ったけど、小さい頃にルイスに対して自分の前世を明かした時のようには、軽々しく前世は明かせない。

多分私だけでなく、ルイスもアンリエッタもハリエットも内心かなり動揺しているはずだ。

みんなただ笑ってクラリアの言動を見守ってるんだもん。

この場はとりあえずおさまったけど、さて今後どうする?みたいな感じで私はルイスと顔を見合わせた。

そこに

「おっ、みんな揃って食後のお茶かー?」

ゴードンがやってきた。

「えっ…あっ…ゴー…ドン…」

声の主はクラリアだけど、なんか顔赤くなってない?


「そっちのベンチは満員だな。こっち座っていいか?」

とゴードンがクラリアに尋ねると、クラリアは赤い顔のままこくこくとうなずいた。

あっ…もしかして…と気づいた私はルイスに耳打ちをした。

「クラリアの本命って、レイズじゃなくてゴードンじゃない?」

ルイスは驚きながら私に耳打ちした。

「だったらなんでレイズと婚約しようとしたんだよ?」

なので私はまたルイスの耳元で

「多分だけど、クラリアは喪女…だから、ゴードンが好きでも三次元のゴードンが思ったよりごつすぎて、ちょっとひいちゃったのかも」

私の予想を話してみた。

ルイスは驚いた顔をした後、

「…なるほどな」

と同意してくれた。

だったらここは私たちじゃなくゴードン…先生の出番だ!


「いつもひとりでここで紅茶を飲んでるのか?」

とゴードンはクラリアに尋ねていた。

クラリアは真っ赤になりながら

「いえ…っ、いっいつもは…その…食堂で…ひとりで…」

消え入りそうな声で答えた。

ゴードンは、クラリアがアンリエッタに意地悪をしたことは多分知らない。

私とクラリアの婚約話のことも知らないはずだ。

なら大丈夫、うまくいくだろう。


お昼休みが終わる少し前に、私たちはベンチから立ち上がった。

向かいのベンチからもゴードンとクラリアが立ち上がり、クラリアはゴードンと私たちにぺこっと頭を下げてから走り去った。

するとゴードンが

「あの子、いつもひとりでいるらしい。何とかしてやりたいが、学年もクラスも違うらしいしな…」

と、そう言うので、私は背伸びしてゴードンの耳元に口をつけて

「クラリアも転生者だよ」

と言った。

ゴードンの目が点になり、口はギャグ漫画の便器口みたいに開いた。

おもろ。

 

とりあえず一件落着ですが、まだ色々続きます~。大団円も間近です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ