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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第7章 新たな転生者と大団円への道

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7-6 sideレイズ(マユ)

お昼ご飯をさっさと食べて、私たち四人は早々に中庭に向かった。

そしていつものベンチより遠くの…中庭の隅っこの木の下にあるベンチに座った。

ハリエット、アンリエッタ、私、ルイス…と、まるでルイスとハリエットが私とアンリエッタを守ろうとしているかのような順番だ。

幸い周囲にはまだ誰もいなかったけど、一応私は小声で話し始めた。

「今朝、刺繍女子のひとりが教えたくれたんだけど、なんかその子のお姉さんがクラリアと同じクラスらしくて。で、クラリアが昨日からヘンなんだって」

「ヘンってのはどうヘンなんだ?」

ルイスが聞いてきたので、

「モブがどーたら転生がどーたら、小声でぶつぶつつぶやき続けてるんだってさ」

ハリエットが一瞬ぴくっと動いた。

あ、そういえばハリエットは私ら全員転生してるって知らなかったんだ。


まずいと思ってたら、

「レイズとの婚約がなくなって気が触れたんじゃないのか?」

ルイスが渋い顔で言った。

あ、そーゆー感じ?ごまかす感じなんだ?

「それは…私が皆様の前でひどい言い方をしてしまったせいでしょうか…」

と、ハリエットが申し訳なさそうな顔で言った。

おっ、ハリエットもスルーしてくれた。

「そんな…!ハリエット様が私をかばって下さって…私、本当にうれしかったですわ!それに昨日のハリエット様、とてもかっこよかったです…!」

アンリエッタもスルーしてハリエットにそう言った。

いやいや、このままスルー続けてたら、話の核心に迫れないじゃん?

と思ったので、私はもうこの場でハリエットに全部明かした方がいいんじゃないかと思い始めた。

その時ルイスが立ち上がって

「…クラリア…」

と、そう言った。


私もアンリエッタもハリエットも、紅茶をベンチに置いて立ち上がった。

ルイスが見ている方を見ると、クラリアがよろよろと歩いてきていた。

顔色は悪く、まるで悪鬼の形相だ。

「…な…なんで…」

クラリアは低い声でつぶやいた。

「なんで…なんでなんでなんでっ!!」

クラリアのつぶやきは、叫びに変わっていった。

「モッ…モブに転生してもっ…はっ伯爵令嬢なら何とかなるかもって…!!」

あー…モブとか転生とか大声で言ってるよ…

ダメだこりゃ。

「そっそう思ったから!いっ家同士で婚約すればハッピーエンドもあるってっ…そう思ったのに!!」

そんで色々画策したのね、お疲れさん。

「なんでよっ…なんで王家まで出てきて破談になるの?!」

おい、ルイスがここにいるのに、その言い方はあかんやろ。

クラリアは下を向いてはあはあと息を荒くしている。


これで終わりかな?と思ってたら

「ど…どうやってもモブは攻略対象とは結ばれないっていうのは、ゲームの強制力なの…?!」

さらに前世持ち丸出しのセリフをクラリアは言った。

「ヒ…ヒロインッ…ヒロインでなきゃ、絶対攻略対象とは結ばれないの?!」

クラリアはうつむいていた顔を上げて、また叫んだ。

私はちらっと校舎の方を見た。

大丈夫、まだ他には誰も中庭に出てきてない。

でもこの大声じゃ、そろそろ誰か気づくかもしれない。

何とかこの場を早く治めなくっちゃ。

そう思っていたら、クラリアが一歩前に出て、私たちに近づいてきた。


ルイスが私たちをかばうように、右腕を私たちの前に伸ばした。

その後ろにハリエットも立って、アンリエッタをかばうようなしぐさをした。

さすが前世ハヤトとユウヤ。

でもハリエットは今は女の子なんだから無茶はダメだよ…

と私が考えていると、クラリアはスカートのポケットから何かを取り出した。

短いけど、ナイフみたいだ。

クラリアはナイフを鞘から抜き、私たちに向かって走ってきた。

「ヒ、ヒロインさえいなければああぁぁっ!!」

クラリアはアンリエッタに向かって一直線に走り、ナイフを振り上げた。

私はとっさにアンリエッタの前に立ち、アンリエッタをかばった。

 

めっちゃシリアスでもかみまくるクラリアwやっぱりカミカミのセリフは入力しづらいですw

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