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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第7章 新たな転生者と大団円への道

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7-4 sideアンリエッタ(リオ)

ハリエットに言い負かされて、クラリアは真っ青になった。

さらにハリエットは、

「あなたのお名前…それにご家門をおうかがいしますわ。あなたはどこのどなたですの?私は存じ上げませんので、どうか仰ってくださいな」

と厳しい顔でクラリアに言った。

貴族的言い方を意訳すると、”お前はいったいどこの馬の骨なんだ?”ってな感じだ。

うっわー、ハリエットきっつー…と思っていると、

「わわ私はクラリア・レイナード…レレレレイズ様との婚約がななな内定している者ですわ!」

クラリアは、ハリエットをにらむようにしてそう言ったけど、やっぱり噛みまくっている。

するとハリエットは

「あら?マッコール家とレイナード家の仮婚約は破棄になったとルイス殿下からうかがっておりますわよ?」

と、右手の甲をあごに当て、悪役令嬢のようなポーズで言った。

「なっなっなっ…?!」

驚くクラリアに

「国王陛下からのご命令だとうかがっておりますのに、あなたはご存じないのかしら?」

ハリエットは、クラリアを馬鹿にしたような表情でそう言った。

ハリエット…強い。

さすが前世男子。


放心状態のクラリアを尻目に、ハリエットは

「先生、皆様、お騒がせして申し訳ございませんわ」

と、みんなに向かってとってもきれいな礼をした。

先生は

「いえ!とんでもございません!授業を乱したのはクラリア嬢でございます。クラリアさん、ハリエット殿下に謝罪なさいませ」

と慌ててそう言った。

するとハリエットは

「私への謝罪など不要です。アンリエッタ様に謝って下さいませ」

とクラリアに目を向けて、冷たく言い放った。

クラリアは悔しそう…というよりちょっと悲しそうな顔をしてたけど、ハリエットの手前、私に謝らない訳にはいかず

「も…申し訳ありませんでした…」

と小さな小さな声で私に謝った。


その後は問題なく授業が進み、私はハリエットから刺繍について色々と丁寧に教えてもらった。

「そうそう、お上手になってこられましたわよ、アンリエッタ様」

かわいく笑ってそう言うハリエットだったが、私は先刻の怖いハリエットを思い出してちょっとびびっていた。

そんな私の様子に気づいたのか、ハリエットは

「そんなに怖がらないでくださいませ。私はどこかの誰かのようにアンリエッタ様に意地悪なことを言ったりやったりはしませんわ」

と、首をかしげつつめっちゃかわいくそう言った。

…ハリエットって、すごい。

前世男だったからなのか、いざとなったらすごい雄々しいのに基本はめちゃかわだ。

ルイス、完全に尻に敷かれるだろうな…と私は思った。


無事にお裁縫の授業が終わり、裁縫の教室から戻ると、ルイスとレイズが飛んできた。

「クラリアになんかされなかった?!」

「なんかあったら俺からクギを刺しておくぞ!」

レイズとルイスがすごく心配そうに言うので、

「大丈夫ですわ、ハリエット様が治めてくださいましたの」

と笑って答えた。

「ハリエット、ありがとー!!」

「ハリエットに頼んでおけば大丈夫だと思っていたぞ」

レイズとルイスが言うと、ハリエットは

「あのような小者、たいしたことはございませんわ」

とにっこり笑った。


「え…小者…?」

とルイスとレイズが目を丸くしているので、

「ハリエット様、すごくかっこよく私を守ってくださいましたのよ」

と私は言った。

「まあっそんなっ…」

と恥じらうハリエットには聞こえない程度の小声で私は二人に言った。

「ハリエット、マジですごかったよ…すっごい厳しく冷たくクラリアを叱ってバカにしてやっつけちゃったんだよ…」

レイズはちょっとびびってたけど、ルイスは

「さすが俺のハリエットだな」

とうなずいていた。

バカップルめ。

あんたのユウヤはマジで男前だよ…と私は心の中でそう思った。

 

下書きでは「こもの」を「小物」って書いちゃってましたw

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