7-2 sideルイス(ハヤト)
クラリアとかいう女がアンリエッタにいちゃもんをつける大声がうるさかったので、俺は教室のドアを開けて
「朝っぱらから騒々しいことだな」
とクラリアに向かって言った。
するとクラリアは慌てたように居ずまいを正し、
「こっ…これは…ルッルイス殿下、ももも申し訳ございません…」
と、噛みまくりながら俺に礼をした。
「でっですが、こここの方が私にぶつかってこられまして、わわ私の方がわざとぶつかったかのように仰るのです…」
とさらに噛みながらクラリアが俺に訴えかけてきたので、
「ぶつかったのは君の方だろう。俺たちは廊下側の窓から見ていたぞ」
と、見てもいないのに俺はそう言ってみた。
クラリアは青くなって
「ししし失礼いたしますわ…」
と、二年の教室に向かって小走りで去って行った。
「なんなんだよあの女…」
と俺が言うと、ハリエットが
「そういう仰り方はいけませんわよ、殿下」
と、めっという顔をして俺をたしなめた。
そこにアンリエッタが入ってきて
「殿下、助かりましたわ」
と礼をした。
「やっぱり彼女からわざとぶつかってきたんだね?」
レイズが言うと、アンリエッタはうなずいた。
「俺たちは現場を見ていたわけじゃないが、アンリエッタがそんなことをするわけがないのは分かっていたから、ああ言っただけだ」
俺が言うと、アンリエッタは笑った。
「まあ、そうでしたの」
するとハリエットが心配そうにアンリエッタの顔をのぞきこんだ。
「アンリエッタ様にはおけがはございませんか?」
「はい、大事ございませんわ。ありがとうございます、ハリエット様」
アンリエッタはにっこり笑ってハリエットに礼をした。
一連の出来事に、教室にいた者たちがひそひそを話を始めた。
「なんなんですの、あの方…」
「アンリエッタ様にご自分からぶつかっておいて、あんなことを大声で仰るなんて…」
「ひどい方ですわね」
俺は皆に対して、レイズとアンリエッタがレイズんち公認になったこをと言おうかと思ったが、まだ二人は正式に婚約したわけではないので、それは思いとどまった。
そこで
「なあ、俺の父からレイナード伯爵家に書状を送ったはずだけど、もしかしてまだクラリアは知らないのか?」
ろレイズに小声で尋ねた。
「ああー…彼女ってたしか寮に入ってるんだよね。だったらまだ知らないかも」
とレイズはそう答えた。
なるほど、クラリアの意図が読めてきた。
が、ハリエットの前でそれを口にすることははばかられたので、寮に戻ってからレイズに俺の見解を話すことにした。
授業を終え、寮に戻ってから俺はレイズを自室に招いた。
そして前置きもなく
「なあ、あの女…転生者だよな?」
とそう言ったが、レイズはあっさりと
「僕もそう思ってたよ」
と同意した。
「やっぱりなぁ…あの後は大丈夫だったか?」
と俺が聞くと、
「うん、お昼ご飯の間も中庭でのお茶の時も、ルイスとハリエットがすぐ近くに座ってくれてたからか、何か仕掛けられることはなかったよ」
レイズはそう答えた。
「アンリエッタにああいうこと仕掛けるってことは…」
と俺が言うと、レイズは
「彼女、前世でレイズ推しだったんだろうね」
きっぱりと言った。
「やっぱりそうだろうな…これからも俺たちでアンリエッタを守らないとな」
と俺が言うとレイズは
「次に仕掛けるなら、一年二年女子合同の明日のお裁縫の授業だろうね」
と渋い顔で言った。
俺たちは新たな問題の発生に頭を抱えた。
クラリアのセリフにひらがなとかカタカナが余分についてるのは、私のミスではなく、クラリアが噛みまくっている表現ですw




