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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第6章 学園祭が終わっても色々

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6-10 sideレイズ(マユ)

今日のルイスとハリエットは、学祭の時以上のラブラブっぷりで、バカップルとしか言いようがなかった。

みんなの前で大好きってお互いに言い合ったから、みんな公認のロイヤルカップルになったと言える。

私とアンリエッタも一応カップルなんだけど、私はマッコール公爵家の次男という立場で、アンリエッタとのことはまだ家には言ってないから、ルイスたちみたいに公認というわけじゃない。

アンリエッタもそれはわかっていたので、学園では”特に仲のいい異性の友達”的な感じにとどめていた。

食堂でお昼ご飯を食べた後、いつも通りにアンリエッタと二人で中庭に行って並んでベンチに座り、紅茶を飲みながらアンリエッタお手製のクッキーをつまんでいた私は、つい

「…僕らもルイスたちみたいに公認になりたいねー…」

とアンリエッタに言ってしまった。


私の言葉を拾って、アンリエッタは少し渋い顔をした。

「それは…レイズ様は公爵家のご令息ですから、レイズ様のご両親に認めていただかなくては叶いませんわ…」

人目もあるので、アンリエッタは表向きの言い方でそう言った。

なので私は小さな小さな声で

「ねえ、ゲーム内でレイズルートに進んだら、レイズの婚約者になって云々ってのはどんな感じの進み方だったっけ?」

とアンリエッタに尋ねてみた。

するとアンリエッタは、同じく小さな小さな声で言った。

「…所詮ゲームだからさ、その辺すっごい雑だったのよねー…」

私はレイズルートは一回しかクリアしてなかったから、細かいところまでは覚えてなかった。

レイズルートを何回もクリアしたアンリエッタが言うには、お菓子イベントとかの小さなイベントをクリアした後、レイズが

「僕、アンリエッタのことが好きだよ」

と言って、アンリエッタが二択の答えから

「私もレイズ様のことが好きです…!」

っていう方を選ぶと、レイズルートクリアになるってことだった。

ちなみに

「ありがとうございます!私もレイズ様が好きです!」

を選ぶとクリアにならなかったらしい。

なんやそれ。


「で?その後はどうなったっけ?」

と私が尋ねると、

「そしたら画面に花が散って”レイズルートクリア”って文言が出て終わり」

アンリエッタは答えた。

「…ということは…」

私が言うと、アンリエッタが私の言葉を引き継いで

「そう、カップル成立後の描写いっさいナシよ」

とため息をついた。

…ゲーム内容、役に立たない。

「現実では…マッコール公爵夫妻に話をして許可をもらって婚約して…っていうのをひと通りやらなきゃなんだね…」

私が言うと

「そうね、この世界はゲームであってゲームじゃない。私たちにとっては現実だから、そういったことも越えて行かなきゃいけないわね…」

アンリエッタも少し憂鬱そうな顔で言った。


「でも…でも、二人でこれからのハッピーエンドストーリー、決めたもんね!」

私が言うと

「うん、それは絶対叶えなきゃだわね」

アンリエッタも力強くうなずいた。

「うんっ!頑張ろー!!」

と私がこぶしを握って言っていたら、いつの間にかあまり見たことがない女子が私たちの近くに来ていた。

なので

「ん?何?」

と私が問いかけると、

「マッコール公爵家ご次男レイズ様…ですわよね?」

とその子はそう答えた。

「うん?そうだけど?きみは?」

と私がその子に尋ねると、その子は言った。

「申し遅れました。私、このたびレイズ様の婚約者に内定いたしました、クラリア・レイナードでございます」

…は?!

婚約者に内定?!

私とアンリエッタは完全にフリーズしてしまった。

 

ゲームのように簡単にはいかないのが現実ってことですね…ってか今日も寒いです…入力する手が固まってます…

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