表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第1章 前世での別れと今世での再会

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/142

7 sideルイス(ハヤト)

レイズの勧め通り王妃に兄弟が欲しいとおねだりしてみた結果、ほどなく王妃は懐妊し、しばらく公務などは休むことになった。

俺は前世では一人っ子だったので、母親の妊娠した姿などは見たことがなく、少しずつ王妃のお腹が大きくなっていくのを興味深く見ていた。

そして俺が四歳になった頃、いよいよ出産…という運びになった。

王妃は自室で産気づいたので、そのままベッドで出産することとなったのだが、父である国王と俺は王妃の部屋の控えの間のような所で待機することに。


「あぁぁああっ!!」

という王妃の叫び声に、俺はふと前世で聞きかじったことを思い出した。

女性が出産する時の痛みは、鼻からスイカを出すぐらい…想像もできないぐらいひどいものだと。

文字通り命がけで女性は出産するのだと。

王妃の叫びを聞き続けて、俺は段々不安になってきた。

「父上、どうしましょう!僕が兄弟が欲しいと言ったせいで…母上が…母上が…」

と泣きながら父王にすがったのだが、父王は俺を諭すように言った。

「大丈夫だ。お前を産んだ時にも王妃はしっかりしていた」

「でも…でも…あんなにも苦しそうです…!」

俺は不安で不安でたまらず、体の震えが止まらなかったが、

「助産婦によれば、一人目より二人目の出産の方がややましだという話だ。王妃を信じて待とう」

父王はそう言って少し微笑んだが、それでも心配そうではあった。


一時間…いやもっと長い時間だったかもしれない…王妃の叫びが最高潮に達した後、赤ん坊の産声が聞こえてきた。

少しして助産婦が王妃の部屋のドアを開き、

「どうぞお入りください。王妃様も王子様もお元気でいらっしゃいます」

と俺たちを部屋に入れてくれた。

王妃のベッドに近づいていくと、王妃は意外に元気そうでにっこりとほほ笑んだ。

「ルイス、あなたの弟が生まれたわよ」

すでにへその緒を処置されてきれいに産湯で洗われた赤ん坊は、確かに男児だった。

だが、そんなことはもうどうでも良かった。

「母上、母上…ごめんなさい、僕が兄弟欲しいって言ったせいで無理をさせてしまってごめんなさい…」

前世高校生だったというのに、俺は小さな子供のように泣きじゃくって王妃に謝った。

すると王妃はふふふ、と笑って

「大丈夫よ、あなたが産まれた時は陣痛が始まってから半日も苦しんだんですもの、楽な方だったわ」

と、こともなげにそう言った。

父王はそんな王妃に向かって

「ご苦労だったな…そしてありがとう、王妃よ」

と目にうっすら涙を浮かべながらそう労った。


前世でも弟などいなかった俺は、勉学の時間などを除いてはしょっちゅう王妃の部屋に入り浸り、弟の様子を見ていた。

産まれてすぐには目は良く見えないらしく、色鮮やかなおもちゃなどで気を引いたりするうちに少しずつ良く見えるようになってくるそうだった。

生後半年もすると目が少しずつ見えるようになってきたらしく、王妃も父王も喜んだのだが、なぜか弟…シモンは俺の顔ばかり凝視するようになった。

なんだろう…なんで俺の顔ばっかり…と不思議に思ったが、ふと自分が転生した時のことを思い返してみた。

そうだ、生まれたばかりの頃は転生したことは分からなかったが、目が見えるようになってきたら転生したんじゃないかって思うようになったっけ。

もしかして弟のシモンも転生者なんじゃないか?と思うようになったが、シモンはまだ生後半年過ぎた程度なのでもちろん言葉はしゃべれない。

もう少し大きくなってからじゃないと確認はできないな…と、シモンの成長を待ちつつ、レイズと一緒に色々なパーティに出て他の転生者がいないか探していた。


もちろんレイズにも、シモンが転生者である可能性について報告はしておいた。

それに対してレイズが

「もしシモンがユウヤだったらどうする?」

と言ったのには凍りついてしまった。

シモンが?弟がユウヤだったら?男に生まれてきてくれて良かった…けど、もしそうなら…俺が他の誰かと結婚するのもシモンが他の誰かと結婚するのも嫌だ。

どうしようどうしようとぐるぐる悩みつつも他の転生者を探していたのだが、今のところ王城でのパーティに参加した貴族の中には転生者らしい人間はいない。


そして俺が七歳になり、シモンが三歳になった頃、シモンがやたら俺にくっついて回るようになったので、もしかしたら…もしかしたら…と奇跡を信じて俺はシモンに尋ねてみた。

「シモンには前世の記憶はあるかい?」

俺そっくりのプラチナブロンドの頭をこてんと傾け、薄紫色の瞳を瞬かせてシモンはしばらく思いを巡らせるようなそぶりをした。

「…兄上には前世の記憶があるのですか?」

三歳児にしてはしっかりした賢そうな話し方でシモンは俺に問うた。

「うん、俺には前世の記憶があるんだ。信じられないかもしれないけど…」

と、俺は自分の転生について…前世について打ち明けた。

それに対するシモンの答えは

「俺にも同じような前世の記憶がある」

ということだったので、これはもしや本当にユウヤなのでは?と思い、

「同じようなっていうと同じクラスだったのか?バスの事故で死んだ?」

と畳み掛けるように尋ねるとシモンはゆっくりとうなずいた。


「俺はハヤトと同じクラスだった、ユウキ」

…え?ユウヤじゃなくて?ユウキって誰だっけ???と混乱していると

「ハヤトたちのグループに憧れて同じような乙女ゲームとかプレイしてたカースト第二位くらいのグループの一人だった」

そう言われたのでちょっとがっかりして

「あ…あぁそうか、お互い転生して良かったな…」

と俺が言うと、シモンはとんでもないことを言い出した。

「俺…ハヤトのこと好きだったんだ…だから弟になれてうれしいけど複雑だよ…」

え?マジ?何それマジ?と俺は混乱を極めてしまった。

…どうしよう、兄弟欲しいって言ったせいでこいつ転生しちゃったのかも…

もうどうしていいか分からなくなって、俺は天を仰いだ。

神様、ユウヤはどこにいるんですか…

 

段々混乱してきましたが、まだまだ続きますw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ