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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第5章 学園祭準備から本番も大混乱

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5-14 sideルイス(ハヤト)

何が何だかよくわからないが、ハリエットは本当に変わった。

俺への物言いも俺に見せる笑顔も、何もかも。

俺はハリエットが、前世のユウヤという自分と今の自分との狭間で悩んでいるのだと思っていた。

ハリエットの立場に立って考えると、それはとても…とても辛いだろうと。

だが今のハリエットは、何もかも吹っ切れたように明るく笑ってくれる。

今までのハリエットは一国の第一王女として、婚約者である俺に対し、節度ある態度で接してきたように思える。

それはハリエットの立場上仕方のないことだ。

それでもかまわないと思っていた俺にとって、今のハリエットは予想外で、とても好ましい。

さすがに大声で笑ったりはしないが、他の女子たちと一緒にふきだして笑ったり、ごく普通の女生徒のようだ。

ハリエットがそうふるまってくれるなら、俺も堅苦しい接し方はやめよう。

そう思ったらすごく楽になってきた。

今のハリエットは、ユウヤのようでいてユウヤのようではない。

でもユウヤのような雰囲気も残していて、とても自然なので俺も自然体でいられる。

なんというか…とても幸せな気分だ。


俺は前世ではゲイで、今世でもそれは変わらない。

それでも俺は、今のハリエットが大好きだ。

前世がユウヤだからじゃない。

もちろん前世でのユウヤへの気持ちを失ったわけじゃない。

ユウヤが男に転生していれば、俺は王太子の地位を捨ててでも、ユウヤと共に生きることを選んだだろう。

だが、今の俺はハリエットが好きで…ユウヤであった前世も何もかも込みでハリエットのことが好きだ。

そんな己の感情をしみじみと噛みしめながら、俺はハリエットと二人、保温カップに紅茶を入れて中庭に歩いて行った。

レイズの売り子っぷりを笑ったり、ルードのくそまじめっぷりを笑ったりしながら、俺たちは中庭のベンチに並んで座った。


お菓子グループから買ったお菓子の入った紙袋をがさがさと開き、

「さて、どれから食べてみる?」

と俺はハリエットに尋ねた。

ハリエットはうんうんと悩んで

「まずはシフォンケーキをいただきますわ!」

とシフォンケーキを取り出した。

「シフォンケーキは時が経つとしぼんでしまいますから、早めにいただかないと」

と言って、ハリエットは紙ナプキンでシフォンケーキを一切れくるんで手づかみで食べ始めた。

「んんー…おいしい…っ!」

おいしくてたまらないといった顔をして、ハリエットはシフォンケーキを頬張った。

あまりにもうまそうだったので、俺はハリエットの持っているシフォンケーキをひと口頂戴することにした。

「どれ、俺にもひと口」

とハリエットの持っているシフォンケーキにかぶりつくと、

「もうっ、お行儀が悪いですわよ!」

とハリエットにたしなめられた。

俺はこらえきれず、声を立てて笑ってしまった。

「あははははっ!ごめんごめん!」

俺が謝ると、ハリエットはちょっと頬を膨らませて

「もう…ひと口だけですわよ?」

と仕方なさそうにそう言った。

かわいい。


クッキーやフィナンシェなど色々なお菓子を二人で分け合って食べて、俺たちは満腹になった。

「あぁー…食った食った」

俺がそう言うと、ハリエットは

「王太子殿下がそのような仰りようをしてはいけませんわよ」

と、俺をじろりとにらんだ。

なので俺はぷっとふきだして

「いいだろたまには。俺だって気を許してる相手にしかこんな物言いはしないよ」

と返した。

するとハリエットは

「…私には気を許して下さっているんですの…?」

と、目を見開いてそう聞いてきた。

「ああ、ハリエットに対しては俺は素の自分でいられるよ」

俺が答えると、ハリエットは赤くなってうつむいた。

本当にかわいい。

ハリエット込みのユウヤでも、ユウヤ込みのハリエットでも、俺は好きだ…とそう思ったので、俺は素直に

「ハリエット、好きだよ」

とちょっと照れながらも笑顔でそう言ってみた。

ハリエットは俺の言葉を咀嚼するようにゆっくりと考え

「さ…さようでございますか…」

と真っ赤になってまた下を向いた。

ああ、なんか青春だなぁ…

なんて思っていたら、ハリエットは立ち上がり

「わ、私、寮に戻りますわ!」

と走って行った。

予想外の流れに、俺は呆然とするしかなかった。

 

最近PCの調子がイマイチです。やっぱりもう7ではダメなんでしょうか…

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