表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第5章 学園祭準備から本番も大混乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/113

5-3 sideハリエット(ユウヤ)

ゴードン様が前世のニシダ先生だったと分かった後、ゴードン様は私に対しあれこれと気遣って下さるようになりました。

いまだに悩みを抱え、沈んだ表情のまま黙々と刺繍をするだけの私に

「おっ、今日も頑張ってるな!」

と紅茶やお菓子などを差し入れてくださいました。

同じ刺繍グループの女生徒の皆様は

「ハリエット様だけ特別扱いですの?」

とゴードン様に仰ったのですが、それに対するゴードン様のお答えは

「ルイスは今、寄付のためにあちこち走り回っていて、ハリエットのそばにいられないんだ。だから俺が代わりにハリエットをいたわってるってわけだ」

というものでした。

そのお答えには皆様も納得なさり、

「ハリエット様は、本当に殿下から大切にされていらっしゃいますわね」

と笑って仰いました。

いつもの軽い、悪意のないからかいを含めたお言葉でしたが、私は

「そんな…」

とあいまいに笑むしかできませんでした。


殿下の前世がハヤトだということは、ほぼ確実であろうと私は思いました。

ふとした仕草やほほえみ、ことあるごとの言動など、殿下がハヤトであるというのは、もう疑いようもない…と私はひそかに確信していました。

そんな殿下が、あの時寝言でひっそりと発されたお言葉…

「…ユウヤ…」

と、前世での私の名をお呼びになったあの時、私はもしやという思いにとらわれました。

前世でのハヤトは、どんなに美しい女性から愛の告白をされても、誰かとお付き合いをすることはありませんでした。

そのことについて私が”好きな人がいるのか”と尋ねた時、ハヤトは否定をしました。

もしもそれが嘘だったとしたら?

本当は、誰か好きな相手がいたのだとしたら?

寝言でまで私の前世の名を呼んだということは…

前世のハヤトが愛していたのは私…男性であったユウヤなのでは?


前世で男性だった私は、今世で男性を愛することはない…とそう思っていました。

ですが殿下のお人柄に触れる日々の中、いつしか私は殿下に恋をしていました。

殿下も私のことをとても大切にしてくださり、私に対して少なからず好意を抱いて下さっているように感じます。

私たちはきっとこのまま婚約関係を続け、いつかは結婚することになるでしょう。

そこまで考えて、私は怖くなりました。

殿下はいまだに前世の私…ユウヤへの気持ちをお忘れになっていらっしゃらないのではないのか?と。

もしもそうであれば、根本的に殿下は男性しか愛せない方なのではないのかと。

殿下は私のことを大切にして下さっていて、好意を抱いて下さっていると思いますが、私の体は女性。

殿下のお心が前世のままなら…性癖も前世のままなら、殿下は心から私を愛することはないのではないでしょうか?


私の前世は、ユウヤという男性。

前世のハヤトが愛していたかもしれない男性です。

もしもそれを…私の前世がユウヤだという事実を殿下にお伝えしたら?

男性しか愛せないままでいらっしゃるかもしれない殿下に、私がユウヤだとお伝えしたら、殿下はいったいどう思われるのでしょう。

体は私…ハリエットという女性で、中身は前世ユウヤという男性だと殿下がお気づきになられたら…?

殿下は混乱なさるのではないでしょうか。

前世で愛したユウヤとの再会を、手放しで喜ばれることはないのではないでしょうか?

…いずれは殿下に私の前世を明かさなければならないでしょう。

でも、それを明かしたら殿下は…

私たちは、いったいどうなってしまうのでしょう…

 

お読み下さる方にとっては会話中心の方が読みやすいだろうと思いますが、私は会話中心じゃない方が入力がラクです。カッコをいちいち入れるのがめんどくs←

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ