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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第5章 学園祭準備から本番も大混乱

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5-1 sideルイス(ハヤト)

学園祭前の二週間は、通常の授業はなく、女子たちはそれぞれの出品物の準備に専念し、俺たち男子は貴族や商家を回り寄付金を回収したり、出品物の材料を調達したり招待状を書いて送ったりすることになっていた。

その間俺はハリエットと会うこともできず、彼女がどうしているのかを知ることが出来なかった。

男子の中で唯一レイズだけは小冊子グループに協力していたため、女子たちの様子を知りたければレイズに尋ねるしかなかった。

だがレイズは小冊子グループのことは知っていても、他の女子グループについて詳細を知っているわけではなかったようだ。

それでもハリエットのことが気になっていた俺はレイズに

「ハリエットは?元気にやっているか?」

と尋ねてみた。

「刺繍女子たちはかなりハイペースで作業しなきゃみたいだから、全員黙々と刺繍頑張ってるよ~」

とレイズは答えた。

俺には刺繍のことはよくわからないが、刺繍というものは一つの作品を仕上げるにも、かなりの時間と手間を費やすものらしい。

「そうか、それは大変そうだな…何か差し入れでもしようかな」

と俺が言うと、レイズは言った。

「ゴードンが毎日のように差し入れしてるよ?」


俺の頭は疑問符でいっぱいになった。

なぜゴードンが刺繍グループに?

「ゴードンの奴、刺繍グループの誰かといい感じにでもなってるのか?」

とレイズに聞くと

「ゴードン、ハリエットと仲良くなったみたいだよ?」

レイズはちょっと複雑そうな顔で言った。

ゴードンが?ハリエットと仲良く???

「なんなんだよそれは!!」

俺がレイズに詰め寄ると、

「僕にもわけわかんないよ…」

レイズも本当に困惑しているといった顔でそう答えた。

俺の婚約者であるハリエットにゴードンが急接近していることに対して、レイズもかなり驚いているようだった。

これはゴードン自身に聞いてみるしかないだろう。

そう思った俺は、ゴードンに直接尋ねることにした。


夜になって俺はゴードンを寮の俺の部屋に呼び出した。

周囲に誰もいないので、ゴードンは砕けた口調で

「どうした?何かあったのか?」

と俺に聞いてきた。

なので俺は思い切ってゴードンに尋ねた。

「最近、ハリエットと仲がいいらしいな?」

ゴードンの顔が凍りついた。

すぐに返事をしそうにないので、

「何かきっかけがあって仲良くなったのか?きっかけはなんだ?」

と俺は畳みかけるようにゴードンに尋ねた。

ゴードンはしばらく考え込んでから

「…今は俺の口からは言えない」

と、そう言った。


俺は頭に血が上りそうになったが、心を落ち着かせて少し考えた。

ゴードンが俺の婚約者に横恋慕なんてするはずはない。

それに何より、ゴードンはニシダ先生だ。

先生がこういう言い方をするってことは…

「もしかして、ハリエットが転生者だってわかったのか?」

俺が問うと、ゴードンは諦めたように

「ああ、そういうことだ」

と答えた。

「お前と同じように、俺に向かって”先生”って言ったんだ」

ゴードンのその言葉に、俺は一気に期待が高まってゴードンに言った。

「ユウヤか?ハリエットはユウヤだったのか?」

ゴードンはかぶりをふって

「それはまだわからない」

と言った。

「なんだよ…」

俺は力が抜けて、がっくりと肩を落とした。

 

B5変形の落書き帳に下書きしてるんですが、昨夜とうとう一冊終わりました。大丈夫、まだ二冊ありますw←

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