4-14 sideレイズ(マユ)
ルイス×ルードの腐妄想小冊子を作ることになった私たちは、連日話し合いの場を持った。
小冊子の内容は、ルードがルイスに片思いをしていて、告白までしたけれどルイスには応えてもらえず、ルードは陰からルイスを思い続ける…って感じだ。
小冊子グループの女子のひとりが私に尋ねてきた。
「レイズ様は、ルード様がルイス殿下のことをお慕いしていらっしゃるということには、いつお気づきになられたのですか?」
私は返事に困った。
ルードがルイスを好きらしいってわかったのは、ルイスが男しか好きになれないから、ハリエットと結婚しても夜のあれこれができないかもって話からだったからだ。
これを説明すると、面倒なことになる。
今のルイスはハリエットと婚約してて、ちゃんとハリエットのことを大切にしてる。
そして表向きには、ルイスはゲイじゃないってことになってるからだ。
ルイスが本当はゲイなんだと言ってしまうと、じゃあルイス×ルード成立でいいんじゃない?ってことになってしまうだろう。
これは腐女子の誇りにかけて、何とかそれらしいことをひねり出すしかない。
「ルイスはね、女の子たちの憧れの的だけど、他のごく一部の貴族令息とか裕福な商家の息子たちみたいに女遊びはしてないんだ」
私がそう言うと、
「まあ…っ」
「さすがは殿下ですわね…!」
と女子たちはほうっとため息をついた。
よし、いい感触だ。
「だからルイスは、ハリエットと結婚しても夜の生活が…つまり夜のあれこれが上手に出来ないかもしれないって、僕たちに相談したんだよ」
続けて私が説明すると
「まぁ…殿下でもそういったお悩みをお持ちなのですね」
「殿下は本当に真面目な方ですのね…」
と女子たちはうなずいた。
いいぞ、これでうまくつなげられる。
そこで私が
「ルイスの相談に、ルードがこう言ったんだ」
と言うと、女子たちはごくりと喉を鳴らして続く言葉を待った。
「”私が殿下の練習相手になりとう存じます”ってね」
女子たちはきゃーっ!!と叫んで盛り上がった。
よし、うまくつながった。
「なるほど、そういう事情でしたのね…」
「萌えますわ…」
うんうん、みんなもう立派な腐女子になりつつあるねぇ。
女子のひとりが私に尋ねてきた。
「それまでルード様は殿下に対するお気持ちを表すようなことはなかったんですの?」
なので私は
「うん…きっとすごく思いを押し込めてたんだろうね…」
と、ちょっと切なげな顔を作って答えた。
「尊い…尊いですわ…」
「ああ、なんてけなげなルード様…」
めっちゃいい感じになってきた。
「あとはみんなも知ってる通り…ルードがルイスへの片思いを明かして…ってな感じかな」
と私が言うと、
「そのあたりは細かく脚色しなければなりませんわね」
「そうですわね!」
女子たちは真剣に話し合い始めた。
そこに、寄付の交渉に行っていたルイスが戻ってきた。
「おい、小冊子グループ、紙代とインク代として、このぐらいの予算で足りるか?」
とルイスが私にメモを見せてきた。
「うん、このぐらいあれば多分大丈夫」
と私が言うと、ルイスは
「…ホントにそんな小冊子作るのか…?」
と、ちょっとイヤそうな顔をして聞いてきた。
すると女子たちが
「殿下の素晴らしさも存分に書かせて頂きますわ!」
「ご心配なさらずお待ちくださいませ」
と自信満々にルイスに言った。
ルイスは、訳が分からないといった顔をしながらも
「…学園の品位を損なわない程度に頼む…」
と言うので、女子たちは
「無論ですわ!」
と応じた。
頼もしい腐女子仲間の誕生に、私は心の中でガッツポーズをした。
プリンタ出力の同人誌作った時のことを思い出しましたw




