4-7 sideレイズ(マユ)
学祭のための話し合いをしてたのに、なんだか面白いことになってきた。
ルードがルイスのこと好きだっていうのを公表して、アンリエッタがちょい足ししたら、女子たちが腐妄想にとりつかれだした。
今の私は男子…レイズだけど、腐妄想というごちそうをアンリエッタ以外の女子たちとも共有できるならうれしいし、楽しい。
レイズとしてはこれを黙って見ているべきか?
否、誰に恥じることのない腐女子として生きてきた私が、この波に乗らずにいていいわけがない。
なので、手近にいた女子たちに聞こえるように、
「…実は僕も、ルイスとルードの関係にはちょっと興味あるんだよね」
と言ってみた。
すると、女子たちは予想通り食いついてきた。
「まぁっ…レイズ様も殿下とルード様のご関係にご興味がおありですの…?」
「そういえば、王国には男色なる文化がある…と聞いたことがありますわ」
期待を上回る反応に、私は内心ほくそえんだ。
ふとアンリエッタを見ると、こちらに手招きをしている。
私だけではなく、ルイスとルードの腐妄想に萌え始めた女子たちにも手招きをしているので、私たちは教室の隅に集まった。
そしてアンリエッタは小さな声で…だけど私たちだけには聞こえるように
「もう一品、バザーに出品するものを作ってみませんか?」
と、そう言った。
女子たちは不思議そうな顔をして
「もう一品…とはなんでしょう?」
とアンリエッタに尋ねた。
アンリエッタはにっこり笑ってこう言った。
「ルイス殿下とルード様のことを小説にした小冊子…ですわ」
あっ、前世での同人誌っぽいものか?!
アンリエッタ、頭いい~!と心の中で拍手していたら、
「それは…不敬にはなりませんか?」
と女子のひとりが不安そうな顔で言った。
するとアンリエッタはまた微笑んで言った。
「殿下とルード様をモデルにして、お名前などを変えてはいかがでしょう?」
…アンリエッタ、頭良すぎる…!!
「まぁ…それなら不敬にはなりませんわね…?」
と女子のひとりが言うので、
「うん、それなら大丈夫だと思うよ」
と私も援護射撃しておいた。
「でも、本の印刷などは、どのようにすれば…」
不安そうな女子たちに、アンリエッタは
「我が家はそれなりの商家なので、印刷のための機械などもございます。簡単な小冊子なら作れますわよ」
と、自信満々に言った。
「まぁ、それは助かりますわ!」
「印刷に使用する紙などは寄付でまかなえますし…」
「何とかなりますかしら…?」
女子たちも盛り上がってきた。
ゲーム世界で同人誌作れるなんてすごい!と私は心の中でバンザイした。
「…となると、あとは本の内容ですわね」
と女子のひとりが顎に手を当てて考え出したので、
「ルイスとルードのあれやこれやは、身近で色々見てきた僕がアドバイスするから、あとは妄想で補ってね」
と私は言った。
「まぁっ、レイズ様のご助言があれば、より詳しいお二人についてのあれこれを書き起こせますわね」
「そうですわね!」
女子たちが俄然乗り気になって、私は満足だ。
するとアンリエッタが、時を得たりと
「さあ、ではどのような内容にするのかを話し合いましょう」
ぱんっと手を叩いてみんなを促した。
なので私たちは教室の隅で作戦会議を始めることにした。
「少々お待ちください、私、紅茶を持ってまいりますわ」
「私も…」
と、みんな保温カップに紅茶を入れるためにそれぞれ動き出した。
よーし、学祭らしくなってきたぞー!!
学祭らしくなってきましたね~。ていうかアンリエッタんちに活版印刷機があるのか…?素朴な疑問w




