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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第4章 大混戦の学園祭

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4-6 sideルイス(ハヤト)

「なるほど…八歳でこの腕前なら、今の私たちの年頃になる頃には相当腕を上げていそうですわね…」

刺繍グループの女子たちは真剣な顔になった。

「私たちももっと真剣に刺繍に向き合わなくては…」

なんか刺繍グループの女子たちが燃えてきた。

なので俺は

「あぁ、国立クロス学園の生徒として、クロス王国の貴族令嬢として、恥ずかしくない刺繍を期待する」

と、適当なことを言っておいた。

すると刺繍グループの女子たちは、こぶしを握り締めて

「はいっ…少しでもレベルの高い作品となるよう、尽力いたします…!」

と決意を述べた。

売り物になるようなものを作れるなら、それはいいことだろう。

俺は完全に他人ごとのようの考えることにした。


もう何でもいいからとっとと話し合いをまとめてくれ…と俺が思っていると、

「このような拙いものをお見せして、お恥ずかしい限りです…」

とルードは申し訳なさそうに言った。

なので俺が

「何言ってるんだよ。未熟な妹の刺繍が入ったハンカチを大切に使ってやってるルードの優しさがみんなに伝わったんだから、いいだろ?」

と笑ってルードに言うと、ルードはなぜか顔を赤らめた。

「…そのように仰って下さる殿下の方がお優しいです…」

あ、なんか変なスイッチ入れちまったか?と俺は内心慌てた。

そうだ、こいつ俺のこと好きなんだった。

どう返すかな…と俺が悩んでいると、刺繍女子のひとりが小さな声で

「…ルード様は殿下といらっしゃると、おかわいらしいですわよね…」

と言った。

おい!ルイス×ルードとか考えんなよ!!と思っていると、どこから来たのかアンリエッタがぶっこんだ。

「ですよね!ルード様ってルイス殿下の前ではかわいらしいお顔をお見せになりますよね?」

…アンリエッタ…リオ…この世界でも腐布教する気か…?


慌てる俺をよそにアンリエッタは

「殿下とルード様って、とても微笑ましい間柄に見えませんか?」

と女子たちに言った。

すると女子たちは

「そう言われれば…」

「クールな印象のルード様が、殿下といらっしゃると印象が変わりますわね」

と同意を示し始めた。

待て…待て!この世界って基本はノーマルだろ?!

君たち、玉の輿狙いの女子だろ?!

腐布教に乗るなよ!!

焦り始めた俺をしり目に、ルードが爆弾を落とした。

「私は殿下をお慕い申し上げている」

…ルードーーーー!!!!


女子たちは口に手を当てて

「尊い…尊いですわ…」

「殿下にはハリエット様がいらっしゃるのでこのような妄想は不敬になりますが…」

「妄想してしまいますわ…!」

と腐妄想にふけり始めた。

マジかよ…腐妄想で盛り上がるのはレイズ(マユ)とアンリエッタ(リオ)の腐女子コンビだけにしてくれよ…

なんでルード狙いの女子たちまで腐妄想にふけり始めるんだよ!

カンベンしてくれよ!と思っていたら、ルードがとどめを刺した。

「…私の…片恋だ…」


女子たちはルードをあがめるように見つめ、俺は天を仰いだ。

「尊いですわ…尊すぎますわ…」

と、女子たちは両手のひらを合わせ、ルードを拝み始めた。

いやアンタたち、ルード狙いの玉の輿狙いじゃないのか?!

なんで腐女子の布教に踊らされてるんだよ!!

大声で叫び出したい気分になった俺の耳に

「…ルード様は殿下に恋をなさっていらっしゃるのですか…?」

という弱々しい声が入ってきた。

その声の主は、ハリエットだった。

…最悪だ。

ハリエットがあらぬ誤解をしたら、前世を明かすどころの話じゃない。

頼む、誰かこの状況はウソだと言ってくれ…!!

 

これを入力している時点で、すでに第5章の下書きが始まっています。…こんなに長くなるとは思ってませんでしたw

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