4-2 sideゴードン(ニシダ先生)
国立クロス学園では、毎年春に学祭をやるらしい。
前世での学祭を思い出して、俺はちょっと懐かしい気分になった。
一年の秋の学祭の時、ハヤトがユウヤをかばってメイド役をすることになったが、背が高くイケメンなハヤトのメイド姿は、全然似合っていなくて皆大笑いしたっけな…
そんなことを考えていると、ひとりの女生徒が話しかけてきた。
「ゴードンさまは、甘いものはお好きですか?」
と言うので、俺は
「ん?まぁまぁ好きだぞ」
と答えた。
すると他の女生徒が
「やっぱりゴードン様も、お菓子作りが上手な女性がお好きですの?」
と聞いてきた。
ん?なんのアンケートだ?
と不思議に思ったのだが、ふと気づいた。
そういえば、さっきレイズがアンリエッタの手作りお菓子が好きだと言ってから、女生徒たちがざわめきだしたな…と。
なので
「俺は料理上手かどうかなんてのは気にしないぞ」
と、笑って答えておいた。
俺に質問してきた女生徒たちは
「でしたら、ゴードン様はどのような女性がお好きなのですか?」
とさらに尋ねてきた。
俺は答えに詰まった。
なんせ俺は、前世でも彼女なんていなかったのだ。
部活は剣道一直線で、大学では生物学にいそしみ、恋愛というものにはとんと興味がなかったので、好みの女性などについて考えたこともなかった。
俺がうーんうーんとうなっていると、一人の女生徒がとんでもないことを言い出した。
「…ゴードン様は、女性に興味がないんですの…?」
俺はずっこけそうになった。
「いやいや、そういうわけじゃない」
と、俺は焦ってそう答えた。
どう答えれば、この少女たちは納得するんだろう。
まだ年端もいかないこの子たちを傷つけないようにするには、どう答えればいいのか…
そこまで考えて、俺はふと気づいた。
俺は前世でも、女性に対して恋愛感情を抱いたことがなかった。
思春期である中学生のころ、良き恩師に出会えてからは教師を目指して必死に努力を続けてきたのだ。
それこそ、わきめもふらず。
なので俺は正直に答えた。
「今までの人生、理想の自分になるために必死で努力してきたので、恋愛に関しては全く考えたことがないのだ」
なぜか女生徒たちは、ほぅっ…とため息をついた。
えっ、呆れられたか?と思ったら
「ゴードン様は、本当にまじめでストイックな方なのですね…」
と、女生徒たちは憧れの目で俺を見つめてきた。
なので慌てて
「いや、そこまでではないのだが…」
と言うも、女生徒たちは首を振って
「いいえ、ゴードン様はすばらしい方ですわ」
と、にっこりと笑った。
ヤバい、助けてルイス。
ルイスの方に視線を移して助けを求めると、ルイスは笑った。
そしてこちらに近づいてきて、女生徒たちに言った。
「ゴードンは本当に真面目で…そして仲間思いのいい奴だ。ゴードンには、ゴードンにふさわしい伴侶と結ばれて欲しいと願っている」
女生徒たちはルイスに礼をして、また何やら作戦会議のようなことを始めた。
…カンベンしてくれ…
前世の俺からしたら、14歳相手は犯罪だぞ…
やっぱり前世がゴードンの邪魔になりそうですw




