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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第3章 さらに混乱する学園生活

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3-11 sideハリエット(ユウヤ)

私が殿下のことを、ハヤトの生まれ変わりではないかと思うようになったのは、ふとした仕草や表情などでした。

ですが、さらに殿下がハヤトなのではないかと感じたのは、女生徒の皆様に取り囲まれた、あの時です。

女生徒たちと私との間に立ちふさがり、私をかばって女生徒たちに向かって失跡なさったその話し方とお姿に、私は前世での出来事と、その時のハヤトの姿を思い起こしたのです。


前世で高校という学校に通い始めた一年目の秋の始まりに、学園祭という催し物のため、クラスでの話し合いの場が持たれました。

各クラスで何らかの出し物をしなければならなかったのですが、その出し物を何にするかを話し合った結果、メイド喫茶という…前世では商業として成り立っていた、街中でお店が見かけられることもあったものの模擬店を、クラスで行うことに決まりました。

私たちのクラスは女性が少なめだったため、男子生徒にもメイドの役をさせようと誰かが言い始めたのですが、その頃まだ背が低く、少々女性っぽい外見をしていた私に白羽の矢が立ちました。

ですが男性であった私は女性の格好をすることに抵抗があったので、正直言って嫌でした。

それでもあからさまに嫌がるのはクラスの和を乱すことになるのではないか…と思い、私は何も言えず、ただ立ち尽くすだけでした。

するとハヤトがクラスの方々と私との間に、盾になるようにして私の前に立ち、

「俺がやる!!」

と、そう言ったのです。


クラスの皆は口々に

「えー?ハヤトはイケメンだけど背も高いし、メイドの格好はきついだろ?」

「ハヤトにメイド服とか気色悪いぞ」

そう言って笑いました。

するとハヤトは

「気色悪いから、面白いんじゃんか!」

と、破顔一笑、皆を見まわしました。

「なるほど、そういうのもアリ…か?」

クラスの皆はハヤトの意見を取り入れ、ハヤトがメイド役をすることになりました。

そしてハヤトは私の方を振り返り、

「だからユウヤはメイド役やらなくていいよ」

と、私に向かって優しく笑いかけて、そう言いました。


女生徒たちとの一件で、殿下はハヤトなのでは?と、私はますますそう考えるようになりました。

ですが、前世の話などどう切り出せば良いのでしょう。

そして、殿下の前世がハヤトだったとして、私…ハリエットの前世がユウヤだったとお伝えしたら?

前世でのハヤトには恋人はいませんでした。

何人もの女生徒から愛を告白されても、ハヤトはその誰ともお付き合いをすることはありませんでした。

もしかしたら、ハヤトの理想はとてつもなく高かったのかもしれません。

そんなハヤトが今世で、隣国の第一王女である私と婚約したら…それは…私はハヤトの理想の女性として望ましい相手なのかもしれない…とふと思いました。

だとしたら…私の前世がユウヤだったと…男性だったと知ったら、殿下は…?


私は今世で、殿下のことを憎からず思うようになりました。

もしかしたらそれは、今の私が女性として生まれ育ち、女性の体を持っているからかもしれません。

ですが確かに、私は…前世ユウヤという男性であった私は、恐らくハヤトであろう殿下が好きです。

私は…私はいったいどうすれば良いのでしょうか…

 

ハリエット(ユウヤ)はルイス=ハヤトだとかなり確実に気づいてきたようです。

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