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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第3章 さらに混乱する学園生活

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30/112

3-4 sideルイス(ハヤト)

最近、ハリエットが冷たい。

いや元々すごく礼儀正しくて他人行儀ではあったんだが、ここの所とみによそよそしくなった気がする。

クラスでは隣の席だし、昼食も学園の食堂で一緒にとっているんだが、なんというか、笑顔を全く見せなくなった。

思い返すと例の…女子たちがハリエットを取り囲んでいじめるようなことをしていた事件の後から、こんな風になった気がする。

もしかして、またあんな目に遭うのが嫌だから、俺と距離を置き始めたのか?

ぐるぐる考えて悩んでいると、ゴードンが声をかけてきた。

「どうした?何か困りごとか?」

「あ…先…じゃない、ゴードン」

ゴードンは、わははと笑って

「うん、今の立場で”先生”はまずいな」

と言った。

ゴードンが先生だったってわかった今、つい”先生”って言っちゃうんだよな。


「で?何があった?」

とゴードンが聞くので、俺はハリエットが女生徒たちに囲まれた事件の後、彼女が俺から距離を取るようになったことを説明した。

するとゴードンは言った。

「うーん…俺には女心はわからん」

…そうだった、先生、前世で彼女いなかったんだった。

「だが、わからないことは聞けばいい」

というゴードンの言葉に俺は、先生らしい言葉だと思った。

「でも、俺から尋ねても答えてくれないかもしれない…」

と、俺が言うと、ゴードンはあっさりと答えた。

「お前じゃなくて、元が女子だったレイズか、レイズと仲がいいアンリエッタとかに聞いてもらえばいいだろ?」

ゴードンの言葉に、俺はなるほどとうなずいた。

ゴードンに礼を言って、俺は、最近いつもレイズとアンリエッタが二人で話し込んでいる中庭に行って二人を探した。


学園の中庭にはいつも季節の花が咲いていて、あちこちに点々とベンチが設置されてある。

そのベンチのひとつに、レイズとアンリエッタは座っていた。

「あれ?ルイス、どうしたの?僕に何か用?」

とベンチに座ったまま俺に話しかけるレイズの横に座っていたアンリエッタは、俺に気づくと立ち上がって、スカートの裾をつまんで淑女の礼をした。

入学したころには奇行が目立ったアンリエッタが、ずいぶん成長したもんだ…とちょっと感心しつつ、俺はアンリエッタに

「いいよ。学園内なんだから、そんなにかしこまらなくても…座ったままでいい」

と言った。

アンリエッタがベンチに座り直したので、俺はいきなり本題を切り出した。

「ちょっと二人に頼みがあるんだが、聞いてもらえるか?」

と言うとレイズが

「何?どしたの?何かあったの?」

と問い返してきたので、俺はことのあらましを伝え、

「ハリエットに…なんで俺と距離を取るようになったのかを聞いてくれないか?」

と頼んだ。

するとレイズは

「なんで僕に?」

と言った。

しまった、中身マユだから…とは、まだアンリエッタには言えない。


するとアンリエッタが、いかにももっともで、納得できる理由を考えて言ってくれた。

「平民の私がハリエット様にひとりで話しかけるより、レイズ様がご一緒の方が話しかけやすいだろう…ということなのですね?」

「あ、あぁ、そうなんだ…」

と答えつつ、俺は”さすが中身リオ、頭の回転が速い”と感心した。

「頼めるか…?」

と俺が尋ねると、レイズとアンリエッタは

「うん、わかった、聞いてみるよ」

「私でよろしければ…おまかせください」

と快諾してくれた。

「俺の個人的な悩みにつきあわせてしまうことになって…すまない」

と、俺は二人に頭を下げて詫びた。

「何言ってんの、水くさいよルイス~」

と笑うレイズの手には、手作りっぽいクッキーがつままれていた。

それがどういう意味を持つのか、その時の俺には分からなかった。

 

この小説の最初の方はじか打ちだったんですが、途中からは無地の計算用紙に下書きしたものを打ち込むようになりました。その計算用紙がなくなったので同じものを探したんですが売ってなくて、代わりに買ってきたのは子供用の落書き帳ですw70枚綴り三冊セットで、お・と・く!←

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