表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第3章 さらに混乱する学園生活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/112

3-3 sideレイズ(マユ)

「それで?それで?なんでルイス×ルードの可能性が出てきたの?」

アンリエッタ(リオ)が身を乗り出して聞いてきた。

前世以来久しぶりのリオの美味しい手作りクッキーを味わいながら、私はちょっと考えた。

アンリエッタに、ルイスがハヤトだっていうのを今伝えるのはどうなのかな?と。

ルイスはルイスで、自分がハヤトだっていうことは、アンリエッタには自分の口から伝えたいかもしれない。

ここまで二秒で考えて、私は答えた。

「どうもね、ルードがルイスのこと憎からず思ってるっぽいんだよね」

「えっ?!それって、傍から見ててわかったの?」

アンリエッタがそう言うので、

「ううん、ルードが自分でそんな感じのこと言ったんだよ」

と答えると、アンリエッタは悶絶した。

「…尊い…尊死する…っ」

うん、リオらしい反応だ。


「ルイスは?ルイスの方は脈ありそうなの?」

アンリエッタはわくわくが止まらないといった様子で尋ねてきた。

「ルイスはハリエットをすごく大切にしてるよ」

と私が答えると、アンリエッタは

「ああ~…そこはゲーム通りなんだぁ」

と残念そうに言った。

まあゲーム通りであってゲーム通りじゃないんだけどね…と心の中で私は笑った。

ルイスがハヤトなのを黙ってる以上、ハリエットがユウヤかもしれないってことも言えないから。

全部ばらしたら、アンリエッタはどんな反応をするのか今から楽しみだ。

だが、レイズが私だと明かしたからには、今すべき話はハヤトやユウヤのことじゃない。


「アンリエッタ…リオはレイズ…私を選ぶんだよね?」

と、アンリエッタに聞くと

「うん、もちろん!」

と彼女は強くうなずいた。

「だったら…この先どうする?」

私はちょっと真面目な顔で尋ねた。

「え?どうするって…」

不思議そうな顔をして首をかしげるアンリエッタに私は言った。

「表向きはレイズとアンリエッタだけど、中身は私とリオなんだよ?恋人になって、いつかは結婚して…その先は?子供とか作れる?」

アンリエッタは大きく目を見開いた。


「そっか…そういうことになるんだよね…」

さっきまで楽しそうにしていたアンリエッタは、ふっと真面目な顔になって考え込んだ。

そして、自分が作ってきたクッキーを貪り食い始めた。

考え事をするときのリオの癖だ。

ひたすらスイーツを貪り食いながら…糖分を脳に送り込みながら考えるんだ。

そうして何枚かのクッキーを食べた後、アンリエッタは言った。

「…ねえ、レイズくんってマッコール公爵家の次男だよね?」

ん?さんざん考えた末に出てきたのは、今さらな設定確認なの?と思ったら、

「だったら…長男じゃないなら跡継ぎのこととか気にしなくていいんだよね?子作りなんてしなくてもいいんだよね?」

…目からウロコだった。


確かにそうだ。

マッコール公爵家には私の兄である長男がいるので、公爵家を継ぐのは兄だ。

マッコール家には他に継げる爵位もあるから、私…レイズはそちらを継ぐことになる。

「そうだ…そうだよ、私は跡継ぎなんて作らなくていいんだ…」

私がそう言うと、アンリエッタはにっこりと笑った。

「だったら、子供なんていなくてもずぅっと仲良しの夫婦でいればいいじゃん!それで、二人で色んな萌え妄想とか語りながら、楽しく暮らせばそれがハッピーエンドでしょ?」

リオらしいアンリエッタの言葉に、私はふっと笑った。

「レイズルートをクリアしたアンリエッタは、レイズと幸せに暮らしました…っていうハッピーエンド?」

アンリエッタは笑ってうなずいた。

私たちのストーリーは決まった。

アンリエッタはレイズと結ばれて、ハッピーエンド。

私たちらしい結末…そして、未来だ。

 

腐女子同士でも百合にはならないようですw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ