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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第3章 さらに混乱する学園生活

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3-2 sideアンリエッタ(リオ)

とりあえず、全攻略対象者のビジュアルはしっかり確認したので、いよいよ大好きなレイズくんの攻略に挑むことにしよう…と私は心に決めた。

ゲーム内でのレイズくんの設定は、甘いもの大好きで甘え上手なかわいい系のキャラなので、ゲームのイベント通り、手作りのお菓子を差し入れることにした。

この世界には電気がないので、オーブンレンジもオーブントースターもない。

でも冷蔵庫はあるので、バターとかの製菓材料もちゃんと存在していて使うことができる。

前世で得意だったアイスボックスクッキーは、ホントは材料を混ぜ合わせた生地を棒状にして冷凍庫で凍らせてから薄く切って焼くんだけど、冷蔵庫で冷やすだけでも、まあ大丈夫だろう。

この世界でのオーブンは、薪を火にくべて使うタイプで火加減が難しいんだけど、母さんが時々焼き菓子を作ってくれるので、火加減は母さんから教わった。

小麦粉と砂糖とバターと卵を混ぜた生地を冷やして切って焼いて…

うん、上出来!!

レイズくん、喜んでくれるかな~!


レイズくんとは最近結構仲が良くなってきて、校舎の中庭のベンチに座ってお話するとかのイベントはしっかり重ねてある。

私は手作りのクッキーを入れた箱を抱えていって、レイズくんとベンチに並んで座り、

「あのね、今日はクッキー作ってきたの」

と、レイズくんにクッキーを差し出した。

するとレイズくんは少しびっくりした顔をして

「自分で作ったの?」

と尋ねてきた。

なので私はとびっきりの笑顔を添えて、

「うん、私、お菓子作り得意なの。食べてみて?」

とレイズくんにクッキーを入れた箱を差し出した。

そしたらレイズくんは一枚手に取ってかじって、

「うん…すっごくおいしい!」

と言ってくれた。

私はうれしくなって

「よかった!お口に合った?レイズくん」

と言ったんだけど、それに対するレイズくんの答えは

「相変わらずお菓子作り上手だね、リオ」

…だった。


え?!え?!え?!何?!

今のって…私の前世を知ってるってこと?!と私は大パニックを起こした。

するとレイズくんは

「ごめんね…黙ってたけど、実は私の方はアンリエッタがリオだって気づいてたんだ」

と申し訳なさそうな顔でそう言った。

え?今レイズくん、自分のこと”私”って言った?

私がお菓子作り得意だって知ってて、なおかつ”私”って言うってことは…

「………マユ…?」

「うん、そうだよリオ」

そう言ってレイズくんは柔らかく微笑んだ。


私の視界はみるみる歪んで、レイズくんの姿が良く見えなくなった。

涙が…涙があふれて止まらなかった。

「…マユウゥゥゥゥウ…ッ!!」

と、私はレイズくん(マユ)に抱きついて泣き続けた。

レイズくんは、

「ごめんね、もっと早く明かしたかったんだけど、機会がなかなかなくって…」

と、私を抱きしめてそう言った。

「もう…もういいよ!外側がレイズくんでも…マユなら…マユなら…」

泣いて泣いて、レイズくんに抱き着いて、過呼吸寸前になった私にレイズくんは咳払いして

「…ひとつ、朗報があります」

と、小さな声で…なぜか敬語でそう言った。

「え?何…?なんの朗報?朗報って…?」

と戸惑う私にレイズくんは言った。

「デフォルトのルードが受でルイスが攻になる可能性が出てきました」

私の思考は止まって、次の瞬間には腐フィルターがかかったルイスとルードの図が脳裏に浮かんだ。

「ね?萌えるでしょ?意外性のあるカプに」

と、いたずらっこのように笑うレイズくんは、間違いなくマユだった。

 

レイズ×アンリエッタも成立…?ですねw

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