3-1 sideレイズ(マユ)
私がいつものみんなの部屋で授業後のティータイムを楽しんでいると、そこにルードが入ってきた。
この部屋に入ってくる順番は大体、私、ルイス、ルード、ゴードンなんだけど、今日はルイスが歴史の先生に用があるというので、ルードが先に来たらしい。
いつも真面目なルードだけど、今日はなんだかすごく深刻そうな顔をして私に近づいてきた。
「ルード、どうしたの?何か悩みでもあるの?」
と私が尋ねると、ルードは
「…きみは殿下が男色家だということを知っていたか?」
と逆に質問してきた。
ダンショクカ…もちろん、誰に恥じることのない腐女子の私が、この言葉の意味を知らない訳はない。
前世での歴史ものとか純文学で何度となく目にしてきた言葉だが、他ならぬルードの口からこの言葉が飛び出してきたので、私は飲んでいた紅茶を吹き出しかけた。
ごほん…と大き目の咳払いをしてから私は答えた。
「もちろんだよ。十年以上の付き合いの幼馴染だからね」
にっこりと笑いかけるとルードは
「そうか…そうだよな」
と、なんだか居心地悪そうにごにょごにょと言った。
ルードはゲーム通りのデフォルトなはずなのに、なんでこんなことをいきなり言い出したんだろう?と不思議に思ったので、
「何?何かあったの?」
と、ちょっとわくわくしながら聞いてみた。
するとルードは意を決したように
「…実は、殿下はハリエット様とご結婚なさることになっても、夜の営みができないかもしれない…と、そう仰っていたのだ」
え、ルイスってばそーゆー話してたんだ?
まぁ私は中身女子だから、そういう関係の話はしづらかったのかも…と思ってたら、
「なので、私を殿下の夜伽の練習台になさっては、と提案してみたのだ」
ルードのその言葉に、今度こそ私は盛大に紅茶を吹き出してしまった。
「きみ…行儀が悪いぞ。これで拭きたまえ」
と、ルードはきれいなハンカチを差し出してきた。
ごほごほと咳き込みながらも
「あ…ありがと…」
とお礼を言ったんだけど、さらにルードがぶっこんできた。
「だがゴードンが、私より殿下との親交の深いきみ…レイズの方が夜伽の練習台として適役だろうと言って、殿下もそれでご納得なさったのだ」
私はルードに借りたハンカチに、さらに紅茶を吹いた。
「ちょ…待って…なんで僕がいない席でそんな話に…」
と言ったら、ルードは
「あくまでも君の同意を得てからという話だったようだが…その、きみはこのところあの女生徒と懇意にしているだろう?そんな君にそのような役目をさせるのは気の毒だと思ったのだ」
と、気まずそうに言った。
あっ、アンリエッタと私が仲良くなってきてるから、気を使ってくれてるんだ。
ルードっていい奴じゃん?と思っているとルードは
「私なら、殿下の夜伽の練習台になることは、やぶさかではない」
と、きりっとした真面目な顔でそう言った。
え、マジ?!
デフォルトのルードってルイスのこと好きなの?!
ってか、ごく一部にしか需要のなかったルイス×ルードカプってアリなの?!
内心めちゃくちゃ興奮していた私にルードは言った。
「殿下が君をお望みなら仕方ないが、君が殿下の練習台を望まないなら、私がそのお役目を果たそう」
「う、うん…ありがとう。またルイスと話し合ってみるよ」
そう返しつつも、私の脳内ではすでにルイス×ルードの図が出来上がっていた。
ヤバい、ヤバい、リオとめっちゃ話したい。
リオにこのこと伝えなきゃ…!
リオと二人で盛り上がりたいよー!!
第3章始まりました~。混乱しつつも話は進んでいきます。




