2-14 sideルイス(ハヤト)
「それは…本当なのですか?」
という言葉と共に俺の部屋に入ってきたのはルードだった。
「お前…ノックもなしに…」
と俺がにらみつけると、ルードは礼をして
「無礼であるとは重々承知ですが、今のご発言を聞かぬふりはできません」
と、くそまじめな顔でそう言った。
「私はルイス殿下の側近となるため、幼少時より自己研鑚を重ねてまいりました。ですから、ルイス殿下のどのようなお悩みにも即座に対応できるよう、この身を粉にしてでも…」
と、つらつらと言いつのってくるので、俺はルードにストップをかけた。
「わかってる、わかってるから…」
聞かれちゃまずい話を聞かれてしまった俺が焦っていると、ルードがどえらい爆弾を放り投げてきた。
「殿下が男性しか愛せないのでありますれば、私めが夜のお相手をさせて頂く所存でございます」
俺もゴードンも凍りついた。
「は…?え…?」
完全に凍り付いてまともに反応できなくなった俺に、さらにルードは言った。
「ハリエット様という婚約者がありながら、男性しか愛せないと仰るなら、是非に私の身体で夜伽の練習をしてくださいませ。そして、そういった行為に慣れてこられましたら、ハリエット様とも子作りができるようになるのではないでしょうか?」
…コイツ、まじめすぎて怖い…
俺は頭痛にめまいまで起こしつつ、ルードに言った。
「つまり…お前を夜の行為の練習相手にしろってことか?」
「はい」
ルードはきりっとしたまじめな顔でシャキンと背筋を伸ばした。
…マジで頭痛ぇ…
するとゴードンがルードに向かって言った。
「それなら、殿下の相手は俺でもいいんだよな?」
は?ゴードン…先生、何言っちゃってるの?!
ルードはむっとした顔でゴードンに言い返した。
「失礼だが、きみは子爵家次男だろう?身分から言えば、伯爵家次男である私の方が殿下のお相手としてふさわしくはないか?」
…いやいや、身分とか関係ないから…と、心の中で手を横に振ると、
「だったら、殿下の一番の親友であるレイズの方がふさわしくはないか?彼は殿下の従兄弟にして公爵家次男だぞ?」
と言って、ゴードンは俺に向かって小さくウインクした。
そうか、ゴードンにはレイズがマユだって明かしたから、俺とレイズが絶対にそういう関係になるはずがないって分かってて、ルードが諦めるように話を持って行ってくれたんだ。
するとルードは渋い顔をしながらも
「む…それは確かにそうかもしれんな」
と納得したようだった。
そこでゴードンがぱんっと手を叩いて
「さぁ、そろそろ寝ないと明日に響く。ルード、そろそろおいとましよう」
と、ルードに俺の部屋からの退室を促してくれた。
「うん、俺もそろそろ寝ようと思う。おやすみ、ゴードン、ルード。また明日な」
と俺が言うと、二人は揃って礼をして出て行った。
ゴードン…先生、やっぱり頼りになるなぁ。
レイズはマユ…女子だから、夜のアレの話とかまで相談するのはちょっとはばかられてたんだけど、ゴードン…先生ならもっと色々相談できそうだ。
それにしてもルード…ヤバすぎる。
真面目にもほどがあるだろ…
貴族とかってああいうもんなのかな…ゴードンが先生で良かったな…と考えて、俺はふと気づいた。
先生…前世では彼女とかいなかったって言ってたよな?
…恋愛相談で頼りになるか…?と、ちらっと思ったけど、先生の人柄なら、恋愛経験なくてもきっと色々頼りになる気がする。
…多分。
これにて第2章終わりです~。第3章も混乱しながら突っ走りますw




