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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第2章 波乱の学園生活の始まり

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2-10 sideルイス(ハヤト)

生徒会もどきの集まりの後、寮の自室に戻ったら、ドアをノックする音がした。

「ルイス、僕だよ~」

と、気の抜けたような呑気なレイズの声がした。

「入れよ」

と言うと、いつも通りの慣れた感じでレイズが入ってきた。

「なんだ?何かまた気になることでもあったのか?」

と尋ねると、レイズは渋い顔をしてこう言った。

「ゴードンもおかしい」

…マジかよ…


「いったいゴードンのどこがおかしいんだ?」

と聞くとレイズは

「ゲームでのゴードンは、ルードと同じくらい真面目で固いキャラだったんだよ」

と言う。

パーティなどではよくわからなかったゴードンの性格だが、さっきの集まりでの態度は確かに真面目とか固いとかという感じではなかった。

「…ということは?」

と俺が言うとレイズは答えた。

「多分だけど、転生者」

…カンベンしてくれよ…


「ルードは?大丈夫なのか?」

もはや転生者じゃなさそうなら”大丈夫”と表現する方が適当だと思えてきた。

「うん、ルードは多分転生者じゃない…と思う」

レイズはじっくりと何かを吟味するように考えてからそう言った。

「ルイスに対する態度とか、レイズをたしなめたりするようなところとか、ゲーム通りのルードだって思うよ」

レイズはそう言って、ひと呼吸置いてから話を続けた。

「でもゴードンは…多分全然違うよ…」

レイズ…マユはこのゲームをひと通りクリアしてるから、各キャラの性格も熟知してるんだろう。

そんなレイズが言うなら、この見立ては間違いないだろう。

「ゴードンはね、代々騎士団に入ることが義務付けられてるような家の出なんだよ。ゲーム内でもそういうこと言ってたし、ルイスに対しての忠誠心もすごく強かった」

というレイズの言葉に、俺はうなずいた。

「確かに、あの態度は忠誠心強いっていう感じはしなかったな」

レイズはさらに説明を続けた。

「うん、ゴードンはね、主人公であるアンリエッタと仲良くなっていって、初めてああいう砕けた態度を取るようになったんだ。ヒロイン相手限定の態度だね」

なるほど、ヒロイン限定で態度が砕けるっていう乙女ゲームの攻略対象者は他のゲームでもいたな。

「そういうゴードンだから、いくらルイスがゲームとは違う言動でも…ゴードンがゴードンなら、ルイスに対しての態度は変わらないと思うんだ」

ということは、ゴードンは転生者確定なのか…

「で、前世は誰だと思う?」

と尋ねたんだが、レイズもそれはわからないみたいで

「全然わかんないよ…あの時私たちと同じように死んじゃったのがいったい何人なのか、誰なのかもわかんないし…」

とお手上げ状態だった。


考えても考えても俺たち二人ではどうしようもなさそうだったので、俺たちは諦めて寝ることにしたんだが、一つ確かめたいことがあった。

「なあ、アンリエッタがリオ確定だったら、アンリエッタに確認してみるのか?」

と俺が尋ねると

「そうだね、近いうちに…機会を見て話してみるよ」

とレイズはそう言って、俺の部屋を出て行った。

大親友だったリオがアンリエッタで、しかもマユであるレイズを攻略しようとしてきたら…複雑だろうな…と俺は同情を禁じ得なかった。

まぁ色々考えてても仕方ない。

明日も授業はあるんだから、ホントにそろそろ寝ないと…と思っていたのだが、寮の廊下ではまだ騒いでいる男子生徒たちがいた。

寮に入るっていうのは、毎日が修学旅行気分みたいなもんだから、まあ仕方ないかな…と思いつつも、とりあえず俺は王子なので、ちょっと注意しようかと思って自室のドアを開きかけた。

その時

「お~い、そろそろみんな寝ろよ~」

と、どこかで聞いたような間延びしたセリフが響いた。

…このセリフ、どこかで聞いたような…どこでだっけ?

ぐるぐる悩んでいたのだが、ふと前世の記憶がよみがえってきた。

あっ…修学旅行のバスの中で、担任がこんなこと言った気がする。

ドアをそっと開いてその声の主を確かめてみた。

…ゴードンだった…

 

少しずつ、色々動きはじめます~

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