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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第2章 波乱の学園生活の始まり

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2-9 sideルイス(ハヤト)

国立クロス学園に入学するに当たって、俺にはしなければならないことが二つあった。

一つは、婚約者であるハリエットとの仲を深めること。

もう一つは、将来的に俺の側近となる予定のレイズとルードとゴードンとの親交を深めることだった。

この学園には乙女ゲームによくある生徒会なるものは存在しないが、それに近いグループを作るようにと国王陛下から命じられていた。

なので俺は、校舎の中で使われていない小部屋をそのグループでの活動用に使わせてもらう旨、学園長に許可を得ていた。


「陛下からのお達しで、我々の親交を深めるべくこの集まりを作って活動することになった」

俺たちのグループ用に借りた小部屋で、俺は三人にそう告げた。

エイサン伯爵家のルードは

「承知いたしております」

と、やや長めの銀糸の髪をたらして、深い藍色の瞳を伏せて俺に礼をした。

ヘイワード子爵家のゴードンも

「もちろん、承知いたしております」

と短い黒髪の頭を下げ、黒い瞳を細めて笑って俺に礼をした。

「もちろん、わかってるよ~」

と、レイズはいつもの呑気そうな声で応じた。

するとルードがレイズをにらんで

「…きみは少々砕け過ぎではないか?」

と言った。

「僕とルイスは幼馴染だから、別にいつも通りでいいよね?ルイス」

とレイズは俺に向かってウインクをした。

「…まあレイズはそれでいいよ…」

頭が痛い。


ルードは、王城でのパーティなどでそれなりに会話をしてきたが、本当にまじめだ…というか、少々頭が固い。

将来の側近候補なんだから、もっと砕けてもいいと言っても

「いいえ、私はあくまで殿下の側近候補ですから、友人のように接するわけにはまいりません」

と、固い態度を崩さなかった。

対してゴードンは、パーティなどで何度も言葉を交わした程度にも関わらず、態度を崩しても良いと言った途端に一気にフランクになった。

「殿下がもっと砕けてもいいって言うんだから、砕けろよルードも」

…お前はもうちょっと遠慮しろ。

でもまあ俺としてはルードほど固い態度で接されるよりは、ゴードンくらいなれなれしい方がやりやすいと言えばやりやすい。


とりあえず俺たちがすべきは、互いに親交を深めるのと同時に、学園内に何か問題はないかを話し合い、何かあればそれを解決に向けて導くことだ。

…これってほぼ生徒会じゃないのか?

そう思ったが、この学園に生徒会というものがない以上、この集まりは生徒会とは言えない。

めんどくせーなー…と思っていると、ルードが手を上げた。

「問題点…と言えるかどうかはわかりませんが、ある女生徒につけ回されている感じがして気になります」

するとゴードンも手を上げて、

「あ、それ俺も気になってる。俺もなんか知らないけど女子につけ回されてるっていうかなんていうか」

と言うので、

「それは誰なんだ?同じクラスの女生徒か?」

と二人に尋ねると、二人は同時に

「アンリエッタ・ラモー(です)」

と答えた。


いや、アンリエッタってリオ確定って話じゃないのか?と俺が混乱しているとレイズが

「それ、僕もだよ~。でもあんまり気にしなくていいと思うよ?ルイスの側近候補が気になってるってだけみたいだし」

と、へらへらと笑いながらそう言った。

「ただの好奇心ということか?まぎらわしい…」

「んじゃ別に気にしなくていいのか?了解~」

ルードとゴードンがそれぞれ納得したらしいので、その話は終わり、その日はそれで解散ということになったのだが、その後レイズが言うには

「多分だけど、リオなら全攻略対象者一通りビジュアルとかチェックすると思うよ」

ということだった。

なるほど、ほっといても害はないってことか。

ってか、不審者っぽい行動すんなよ…

 

おかたいルードを書くのも好きですw

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