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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第2章 波乱の学園生活の始まり

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2-4 sideルイス(ハヤト)

入学式が終わって俺のクラス…一組に行くと、先にハリエットが教室に入って一番前の席に座っていた。

なので俺がハリエットに近づいていくと、ハリエットは立ち上がって俺に向かって礼をした。

「礼なんてしなくていいよ。今日から同じクラスなんだし、何より私たちは婚約してるんだから」

とハリエットに向かって俺が言うと、周囲の女子たちがざわめいた。

「えっ…ルイス殿下、婚約していらしたの…?」

どうやら俺たちの婚約に関しては、まだ公表されていなかったようだ。


俺はハリエットの横に立ち、クラス全員に聞こえるように言った。

「彼女はオットーバッハ王国の第一王女で、私の婚約者でもあるハリエット・フォン・オットーバッハだ。このクロス王国にはいち学生として留学してきたので、皆仲良くしてあげてほしい」

その言葉に、ざわめいていた女生徒たちも納得したようで、次々にハリエットに挨拶をしに来た。

「ハリエット様、ローン伯爵家長女・ローザでございます」

「ハリエット様、リンド子爵家次女・ライサでございます」

などと、きちんとした礼をしてハリエットに挨拶をしてきたのだが、それに対してハリエットはひとりひとりに丁寧に

「オットーバッハ王国第一王女ハリエットでございます。どうぞよろしくお願い致します」

と礼を返していた。

この国に留学してきたということは、ハリエットはオットーバッハ王国を代表して来たようなものだから、身分が下の相手に対してもかなり気を使っているようだ。

あまりにも気を使い過ぎている…と感じたので、俺は皆に言った。

「私は普段は”私”と言っているけれど、学園では皆と同じいち学生だ。だからこの学園では”俺”と言うことにするので、皆あまり気を使わず気さくに接してほしい」

そして隣にいるハリエットにも

「そういうことだから、ハリエットも俺には気を使わなくていいよ」

と笑いかけた。

するとハリエットは、若草色の瞳を大きく見開いた後、くしゃっと笑って

「はい、ルイス様」

とそう言った。

…やっぱりハリエットがユウヤかもしれない…と、そう思った時、元気すぎる声が響いてきた。

「平民の私とも仲良くしてくださいますか?!ハリエット様!!」

…主人公・アンリエッタの声だった。


この学園には貴族の子女の他に、それなりに裕福な平民の子女も入学できるし、同じ学生なら身分の上下で差別してはならないという決まりもある。

だが実際は、貴族は貴族、平民は平民で友人関係を築くことが多いらしい。

なので貴族令嬢らしい女生徒は、すぐにアンリエッタに向かって

「ちょっとあなた、王女殿下に対してそれは厚かましいんじゃなくって?」

と軽くたしなめた。

だがハリエットは

「もちろんです。私はこの国に関してまだまだ無知と言うに等しいので、色々と教えていただければうれしいです」

と穏やかな笑顔を添えてアンリエッタに答えた。

するとアンリエッタは

「ありがとうございますっ!!ハリエット様ってかわいいだけじゃなくて優しいんですねっ!!」

と、まるでミーハーなファンみたいにキャーキャー言って喜んだ。

…こいつホントに絶対前世持ちだ。

しかも、ハリエットと仲良くしようとしてるってことは、攻略対象はルイスじゃないっぽい…か…?

 

ユウヤに気づきそうなルイス(ハヤト)…がんばれ!と応援しながら書いてますw

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