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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第10章 夢のはざまに現実をかえりみて

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10-4 sideルイス(ハヤト)

翌日も朝から俺たちは山頂にリフトで登っては滑り降り…を繰り返した。

隣にはいつもユウヤがいて、笑いかけてくれる。

幸せだった。

昼食を取ってまた滑りに行く。

ずっとユウヤと一緒だ。

こんな幸せな時間が夢だっていうのか?

夢だなんて信じられない。

幸せな…幸せな時間が過ぎ、夕方になり夜になって、二泊三日の修学旅行も終わりを告げようとしていた。

二泊三日の前後はバスでの車中泊だが、そちらはカウントしていないので、実質は四泊五日に近い。

それだけ長い時間をユウヤと共にしたことはなかったので、俺はこの修学旅行を本当に楽しみにしていたんだ。

それがもうすぐ終わる。

この幸せな夢は、いつ終わりを迎えるんだろう…


夕食後、部屋でユウヤとまったりしていると、

「ハヤトー、ちょっと出てきてくれない?」

マユの声がして、俺たちの部屋にマユが入ってきた。

「なんだよ…」

ユウヤとの時間を邪魔されて、俺が不機嫌丸出しで答えると

「ごめーん。でも修学旅行ならではのイベントタイムに女子たちが並んでんだよー」

とマユがすまなそうに言った。

イベントタイム…ってーと告白か。

そりゃそーか、俺でもユウヤに告白しようって思ってたんだもんな。

でもこれ以上ユウヤとの時間を邪魔されたくない。

「…悪ぃけど断ってくれよ。誰の気持ちにも応えらんねーから」

俺がそう言うと、

「…うん、わかった。じゃみんなにそう言ってくるね」

マユはそう言って出て行った。

「いいの?誰の告白も聞かなくて…」

ユウヤが首をかしげて聞いてきた。

「いいんだよ。誰とも付き合う気はねーから」

と俺が答えると、

「…そっか…」

とユウヤは小さな声でそう言った。

ハリエットは、自覚はなかったがユウヤは俺のことを好きだったと言ってた。

だからユウヤはこういう反応なのかな…と俺は思った。


その後俺たちはあまり話さず…っていうか、ユウヤが無口になったので、風呂に入って寝た。

夜が明けてまたスキーを楽しみ始めたが、ユウヤはまだ元気がなかった。

昼食後またスキーをして、夕方近くには帰りのバスに乗り込むことになっていたが、ユウヤはずっと口数が少なく笑顔も少なくなっていた。

最終日のスキーを終えて、ばたばたと荷物を片付けたりする中、

「ねえ、ユウヤ、元気ないみたいだけど、何かあった?」

リオがそう聞いてきた。

「何もねーよ」

と少し乱暴に俺が返すと、

「うっ…リアルBLのピンチ…?」

とマユが言った。

こいつらそれしか頭にねーのかよ…

てゆーかピンチなのは俺だよ!!

こんな空気のままでこの幸せな夢が終わったら、後味悪いだろーが!!


俺たちは行きと同じバスに、行きと同じ席順で座り、スキー場を後にした。

少しずつ暮れていく空を見ながら、ユウヤはずっと窓の方を向いて黙っていた。

「ユウヤ、気分悪いのか?」

俺が聞くと、

「…ううん、そうじゃないよ。心配かけてごめんね」

ユウヤはうすく笑ってそう言った。

二月の空はどんどん暗くなっていった。

「おーい、そろそろみんな寝ろよー」

ニシダ先生がそう言ったので、

「…寝るか」

俺が言うと

「うん…寝よう。おやすみハヤト」

とユウヤが言った。

「うん、おやすみユウヤ」

俺はそう言って、毛布をかぶって寝た。

連日のスキーの疲れで、俺はあっという間に眠りに落ちた。


翌朝…といってもまだ薄暗いうちに俺は目が覚めた。

朝八時ごろ学校にバスが着いたら、各自家に戻って休む…と決まっていた。

何気なくユウヤの方を見ると、ユウヤも起きていて、俺をじっと見つめていた。

「…おはよ、早いな…」

と俺はユウヤに声をかけたが、ユウヤは黙って俺を見つめている。

そして

「…ハヤト…好きだよ…」

と小さな声でそう言った。

ユウヤの言葉に、なぜか俺は涙があふれてきた。

ずっと待ち焦がれていたはずの、ユウヤからの「好き」なのに。

俺は…今の俺はハリエットが好きだ。

前世のユウヤごと、丸ごと好きだ。

…でも、俺は…今の俺は、ハリエットが一番好きなんだ。

「ハリエット…」

そうつぶやくと同時に、俺は目を覚ました。

 

高校のスキー合宿では、隣のクラスのすっごい可愛い女子と一緒に写真を撮りたがってた男子が、その子の部屋の前に行列を作ってましたw青春ですなぁ…

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