表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第2章 波乱の学園生活の始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/113

2-1 sideルイス(ハヤト)

あさってから国立クロス学園での生活が始まる。

この国の第一王子ではあるが、俺も学園の寮で暮らすことになる。

弟のシモンは泣いて淋しがったが、これはもうどうしようもない。

というか、寮に入ることでシモンと離れられるのは俺にとってはありがたい。

前世の俺に恋してたらしいシモンは、粘着と言っていいほど俺について歩くので、正直うっとうしくて仕方なかったからだ。

必要最低限の荷物を寮に運び込んだので、あとは寮に入って入学式を待つのみだ。

ハリエットもすでに寮に荷物を運びこんだらしく、俺たちは寮生として三年間共に暮らすことになる。

「ハリエットがユウヤかも…」と言っていたレイズの言葉も気になるが、とにかくあさってから学園生活が始まる…つまり「恋に恋するアンリエッタ」というゲームが始まるというわけだ。


寮の部屋に荷物を運び終え、少し整理をしたあたりで部屋のドアをノックする音がした。

誰だと問う間もなく、間延びしたのんきな声がした。

「ルイス~僕だよ~」

レイズだ。

二人きりで小声で話す時レイズは「私」と言うが、第三者がいる時などには「僕」と言うようにしている。

「レイズか。入れよ」

と言うと、にこにこと笑いながらレイズが入ってきた。

そして俺の耳元で

「ハリエットは?もう寮に入ったの?」

と聞くので

「そうみたいだ」

と俺は答えた。

ハリエットは女子なので女子寮に入ったはずだが、もしホントにハリエットがユウヤなら、居心地が悪いんじゃないかと心配になった。

だが、まだあくまで「ハリエットがユウヤかもしれない」という仮定の話なので、そこまで心配するのもどうかとは思う。


「他の攻略対象者とも会った?」

とレイズが尋ねてきたが、俺は首を横に振る。

「王城のパーティでたまに会ったことがあるだけで、学園ではまだ会ってないな」

とりあえずエイサン伯爵家のルードとヘイワード子爵家のゴードンは、パーティで話した限りでは前世持ちという感じはしなかった。

レイズとルードとゴードンは、俺の未来の側近候補なので、学園で親交を深めるようにとの父王からのお達しだった。

まあおいおい…などとレイズと話していると、ドアをノックする音がした。

「お忙しい所申し訳ございません。ハリエットでございます」

え?!なんで?!女子が男子寮に来るとかどうなってんだ?!とパニクりつつも

「…ハリエット、なぜ男子寮に?」

と落ち着いている風を装った声で返事をすると、ハリエットは答えた。

「殿下の婚約者ということで、私は特別に男子寮…ルイス殿下のお部屋に限れば訪れて良い…と、国王陛下からうかがいましたのでご挨拶にと…」

「あぁ、それならどうぞ…まだ散らかっておりますがお入りください」

俺が答えると、ハリエットはメイドを伴って静かに部屋に入ってきた。


「ルイス殿下、これから三年間の学生生活、どうかよろしくお願い致します」

ハリエットはそう言って完璧な礼をした。

すると俺の横にいたレイズは、俺より一歩前に出て

「よろしくね、ハリエット。僕はルイスの親友…マッコール公爵家次男のレイズだよ。レイズって呼んでね!」

と気さくに話しかけて、ハリエットに向かってにかっといたずらっ子っぽく笑った。

ハリエットは大きな目をまたたかせた後、目元をくしゃっとさせて笑った。

「ルイス殿下の婚約者のハリエットでございます。よろしくお願い致します、レイズ様」

え?今の笑い方って、ユウヤに似てないか?!

いやいや誰でもめいっぱい笑えばあんな感じの笑い方になるよな…とぐるぐる考えているうちに、ハリエットはしずしずと退室していった。

レイズがにやにやしながら寄ってきて俺の耳元で

「あの笑い方、ユウヤに似てたね」

とささやいた。

…マジか…?

 

やっとゲーム本編の学生生活が始まります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ