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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第10章 夢のはざまに現実をかえりみて

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10-2 sideルイス(ハヤト)

バスを降りると、目の前には大きな宿泊施設が建っていた。

修学旅行に出発する前にネットで見た、スキー場内のホテルだ。

俺たち二年は四クラスあって、それぞれ三十人前後だったので生徒数は大体百二十人だった。

担任や学年主任の教師五人も同行していたが、その全員でも余裕で泊まれる程度には大きなホテルだった。

二人一部屋で、俺はユウヤと同室に決まっていた。

「荷物置いたら九時にロビーに集合して、レンタルスキー用品のとこ行くぞー」

ニシダ先生に言われるまま、俺たちはいったん荷物を置くため各部屋に向かった。

ホテルは五階建てで、俺たち1クラスは二階だった。

ニシダ先生が中央エレベーター前の部屋で、男女はその左右の部屋に二人ずつ入ることになっていた。

ホテルの中もリアルだ。

俺がきょろきょろしていると

「俺たちこっちだよ、ハヤト」

とユウヤが笑って手招きをした。

二階の一番端の部屋、201号室が俺たちの部屋だった。

部屋の中もリアルだ。

また俺がきょろきょろと見回していると、

「どうしたの?まだ怖い夢のこと引きずってる?」

ユウヤが心配そうな顔でそう言った。

「ああ…なんかまだ…イマイチだな…」

俺の言葉に

「…どうする?気分悪いって休ませてもらう…?」

とユウヤが言った。

「…いや、行くよ。楽しみにしてたんだから」

俺は笑って返した。

夢でもいい、ユウヤとの時を大切にしたい…俺はそう思った。


荷物を置いて一階のロビーに集合した後、俺たちは隣接するレンタルショップに行った。

スキーウェアとスキー用具一式を借り、スキーウェアとスキーブーツを身に着けてスキー板とストックを持って、俺たちはスキー場に出た。

雪を踏みしめる感触もリアルだ。

「スキー未経験者はインストラクターさんの所に集まれよー!経験者は好きに滑ってもいいけど、ゲレンデ以外の林道とかには行くなよー」

ニシダ先生がみんなにそう言った。

俺は子供の頃に良く家族でスキーに行ってたし、ユウヤも経験者だった。

なので

「ユウヤ、リフト乗り放題らしいから行こうぜ」

と俺がユウヤに声をかけると

「えーっ?!二人で行っちゃうのー?!」

とマユが言った。

「お前らスキーできんの?」

と俺が聞くと

「…やったことない…」

マユとリオは言った。

「だったらインストラクターについてけよ。行こうぜユウヤ」

俺が言うと、

「うん、リフトんとこ行こうか」

とユウヤが笑った。

マユとリオはぶーぶーと不満をたれてたけど、知るか。


二人がけのリフトに乗って山の中腹まで行く間に、

「ねえハヤト。怖い夢ってどんな…?」

とユウヤが尋ねてきた。

俺はどう言おうかと迷ったが、

「…バスがここに着く前に事故って、お前も俺も死んじまう夢…」

と言ってみた。

するとユウヤが

「…俺も同じ夢を見たよ…」

と不安そうな顔で言った。

「ユウヤも…?」

俺が言うと

「うん…俺も…」

ユウヤがぼそりとつぶやいた。

「…胡蝶の夢…みたいだ…」

ユウヤが小さくそう言った。

「ん?胡蝶の夢…?」

俺が尋ねると、

「夢の中で蝶が飛んでるんだけど、果たしてこれは誰の夢なのか?自分は実は胡蝶の見ている夢なんじゃないのか?…とかってやつ」

ユウヤはそう答えた。


「あー…なんかあったな、そういうの」

そう言いながら、俺は考えた。

今の俺は本当に俺なのか、もしかして俺の見ている夢なのか…でもこんなにも…何もかもがリアルすぎて、夢だなんて思えない。

「夢にしては妙にリアルだよな。マジで寒いし」

と俺が言うと、

「そうだね。こんな寒い夢、イヤだね」

ユウヤが目元をくしゃっとさせて笑った。

いつものユウヤのかわいい笑い方だ。

このユウヤの笑い方が、俺は大好きだった。

…大好きだった…?

過去形で考えるってことは、やっぱりこれは夢なのか…?

だとしたら…あんまりにも残酷だ…

 

自分の高校時代の修学旅行を思い出しつつ書きました。体育教官もついてきてたような気が…

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