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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第9章 楽しいはずの夏休みにも問題発生?

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9-9 sideルイス(ハヤト)

クラリアがメイドたちに連行されていった後、ハリエットが昨日までいた貴賓用の部屋では、クラリアの叫び声が響き続けていた。

「いえっあっあのっ私にはっそんな豪華なドレスはーっ!!!」

喪女らしい戸惑いの悲鳴をよそに、メイドたちは

「何を仰います!!」

「そうですとも!!クラリア様ほどお美しい方ならこの程度豪華でもなんでもございませんわっ!!」

「むしろこちらのドレスの方がっ!!」

とノリノリで色々着替えさせているようだった。

前世ではどうやらモサい喪女だったらしいクラリアだが、今世ではゲーム内のキャラらしく、かなり美少女と言えるので、何を着せても服に負けるようなことはないだろう。

そう思っていると

「殿下、如何でございましょうか?」

とメイド頭がクラリアを俺の前に引きずってきた。

クラリアの金髪碧眼に似合う、淡いブルーのドレスに青い石のついたアクセサリーで、クラリアは美しく飾られていた。

「ほお、なかなかいいな」

という俺の答えに、メイド頭は

「何かご不満でも…?」

と、ちょっと不服そうに言ってきた。

「いや…クラリアはゴードンの婚約者だからな。ゴードンの髪と瞳の色に似合うものでも良いのでは…と思ったのだが」

俺がそう言うと、メイド頭ははっとした顔をした。

「それはっ…確かにっ…!!」


ゴードンの髪と瞳はゲームキャラらしからぬ黒だ。

短い黒髪に黒い瞳にゴツい体、それがゴードンというキャラだ。

「確かに…この王国では女性は、婚約者の髪や瞳の色に似合う装いをすることで”身も心もあなたのもの”と表現するのが最上級の装いですわね…っ!」

メイド頭はうなった。

何着も着替えさせられていたクラリアは、

「い…いえ…もう…何でも…」

とぐったりしていたが、

「ではっ!!黒いドレスとアクセサリーもお試しいただきますわ!!」

というメイド頭の言葉に

「ひええ…まだ…まだなんですか…」

と、げんなりとした様子でつぶやいた。

すまん、クラリア。

もうしばらく着せ替え人形になっててくれ…


しばらくして、メイド頭が

「殿下!これで如何でございましょう?!」

と、またクラリアを引きずってきた。

黒いドレスに黒い石をちりばめたアクセサリーで全身黒一色だ。

クラリアはやけくそになったように

「おーっほっほっほっ!!これでもうよろしいでしょう?!殿下!!」

と言った。

その姿と言葉に、つい

「…悪役令嬢っぽいな…」

と俺は言ってしまった。

すると

「やだー!!悪役令嬢はやだー!!」

とクラリアが泣き出した。

マジ泣きだ。


「すっ、すまんクラリア!これよりはさっきの方が全然いいぞ!!」

俺が言うと、

「さっ、さようでございますわね!!」

「ゴードン様の色より、クラリア様にお似合いの色の方がよろしゅうございますわね!!」

メイドたちも慌ててクラリアをなだめにかかった。

「わっ…私…私なんかにはどんなドレスでも…アクセサリーでも…いいですけどっ…」

クラリアはしゃくりあげながら言った。

「でもっ…でも…ゴードン様に…かわいいなっとか…キレイだなっとか…そう思ってもらえたら…それでっ…」

クラリアの言葉に、メイドたちは胸を射抜かれたようだった。

「さようでございますわねっ!!」

「大好きな方からそう思って頂けるのが一番ですわよね…!!」

泣きじゃくるクラリアを囲んで、メイドたちはクラリアを慰めていた。

その結果、やっぱりクラリアの髪や瞳の色に似合うドレスやアクセサリーが一番だとメイドたちは決めたらしく、

「これでクラリア様は世界一お美しいですわよ!!」

と、先に決めていた装いに戻した。

「あっ…ありがとう…ございますっ…!」

泣きながらも少し微笑んだクラリアに、メイドたちはほっとした様子だった。

…女ってマジでめんどくせぇ…と思ったが、言ったら後が怖そうだったので言わなかった。

 

この話、下書きでは「9-10」になってたんですが、前の話を見返してみると、この話は「9-9」でした…。この後の第9章の話全部ナンバリングが一個ずつずれていくことになりまして、予定では全16話だったんですが実は全15話だったらしいです…アホすぎる…

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