9-4 sideレイズ(マユ)
アンリエッタと私は大急ぎで手書きの小冊子を作るのに取り掛かった。
「お前ら、勉強もちゃんとしろよ」
ルイスが言うので、とりあえず勉強会の間はちゃんと勉強もしている。
で、お茶休憩の時間に、できるだけアンリエッタと話を詰めて、小冊子用に作ったノートに下書きをして、小説の内容はしっかりまとまってきた。
「小冊子用の白紙の本は用意してきましたわ」
アンリエッタは用意周到だ。
「じゃあ丁寧に書いていこうね」
「そうですわね!」
二人できれいな字…活字みたいな字を書こうと気をつけて清書し始めた。
「お前ら…それルードの誕生日に間に合うのか?」
ルイスが聞いてきたので、
「大丈夫!絶対間に合わせるから!」
私は右手のこぶしを握って答えた。
「ていうか…ルードとシモンさ、ルードの婚約者が決まる前に恋人にさせようとしてんだろ?ルードが先に婚約者を決めたらどーすんだ?」
ルイスの言葉に、私たちはフリーズした。
「えっ…て…今日もルード、お見合いだよね…?」
「まさか、もう婚約内定したりは…」
アンリエッタと私は焦った。
「ねえルイス!ルードの婚約、まだ決まってない…よね…?」
私がおそるおそる尋ねると、
「こないだまでの見合いではまだ決まってないが…今日のはわからんぞ?」
ルイスがそう言った。
「ど…どうしよう…今日のお見合いで決まっちゃってたら…」
「どういたしましょう…」
アンリエッタと二人、顔を見合わせた。
するとそこに侍従頭がノックをして
「失礼いたします。エイサン伯爵家ルード様がお越しでございます」
と、ルードの来訪を告げた。
ルードがサロンに入ってきて、ルイスに礼をした。
「本日の勉強会は終わったのでございますか?」
ルードがルイスに聞くと、
「ああ。今は休憩中だ」
とルイスは言った。
アンリエッタと私が今日のルードのお見合いの結果を聞きたくてうずうずしていることにルイスは気づいたようで、
「ルード、今日の見合いはどうだった?婚約は決まったのか?」
とルードに聞いてくれた。
ルードは
「はっ…本日も一応保留という形で終わりました」
とルイスに答えた。
やったー!まだ決まってないんだ!
「婚約者の候補が複数おりますので、すべての令嬢と見合いをした後、両親と話し合って最終決定をいたす予定でございます」
ルードはルイスに向かってそう言った。
よし、これならルードの誕生日が先に来そうだ。
アンリエッタと私は顔を見合わせてうなずいた。
そこに
「あっ!ルード様、いらしてたんですね!」
とシモンが入ってきた。
いいタイミングだ。
「はっ…シモン第二王子殿下、ご健勝であらせられましたか?」
ルードはにっこり笑ってシモンにそう言った。
ルードのにっこりってレアじゃない?
「シモンはルードがあんまり来ないから、淋しかったんだよねぇ?」
私がシモンに言うと、
「うん、僕ルード様がいなくて淋しかったよ」
シモンはそう言ってうなずいた。
「えっ…さ、さようでございましたか…申し訳ございません」
ルードは少し赤くなって言った。
そして
「…シモン殿下、私に対して敬称は不要でございます。ルード…と、そうお呼び下さい」
とルードが照れたように言ったので、私たちは”うひょー!”と叫びそうになった。
アンリエッタが小声で
「…これは…小冊子の内容を少し変えなければなりませんわね…」
と私に言うので
「うん。敬称いらないエピソードは大きいね…!」
私も応じた。
シモンはルイスに似た完璧美少年で、ルードもゲーム通りのクールなイケメン。
この世界はゲームの世界であって私たちにとってはリアルな世界。
リアルBL…萌える…っ!!
腐女子コンビが楽しすぎて…もうこの二人が主役でいいのでは?と思ってしまいますw




