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王子になった俺と姫になったあいつ  作者: リュウ
第9章 楽しいはずの夏休みにも問題発生?

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9-1 sideルイス(ハヤト)

ルードの誕生日までハリエットがうちにいてくれるので、間でちょいちょいレイズたちも王宮にやってきた。

国立クロス学園には夏休みの宿題はないが、九月から二年生になるので夏休み中は一年の勉強の復習をしっかりやっておくようにと教師から言われている。

そのためレイズたちと一緒にサロンで勉強をすることも多く、そのついでと言ってはなんだがルードの誕生祝についても話を詰めていった。

ルードは父であるエイサン伯爵の命令で他家の令嬢との見合いもしなければならなかったので、ルードのお見合いの日…ルードのいないタイミングで、俺たちはルードの誕生祝について話し合っていた。

「やっぱりルイスの誕生祝とおんなじナイフとかかなー?」

レイズが言うと

「それでは味気ないのではないか?何か違う品の方が良いと思うが」

とゴードンは言った。

「私たち女子組はまたケーキを作りましょうね」

ハリエットがアンリエッタとクラリアに微笑みかけると、

「は、はい…」

「そ、そそそうでございますわね…」

アンリエッタとクラリアは笑顔もなくそう言った。

なんなんだろうと思っていると、

「アンリエッタ、緊張しなくていいよー」

「そうだぞ。クラリアも楽にすればいい。学園と同じだ」

レイズとゴードンが、アンリエッタとクラリアにそう言った。


「え?!緊張してたのか?!」

俺が驚いていると、

「そりゃ緊張しますわよ…庶民の私が王宮のサロンにお邪魔するなんて…」

「そそそうですわよ、私、パーティにも参加したことないのですよ…王宮なんて初めてで…」

アンリエッタとクラリアは、居心地悪そうに言った。

アンリエッタはともかく、クラリアが初王宮だと知って俺は驚いた。

「クラリア、王宮のパーティに出たことないのか?」

俺が尋ねると、

「も…喪女にはパーティなんて無理です…」

とクラリアはため息をついて答えた。

あ…そうだった…こいつの前世、喪女だったんだっけ…


もうこれ、俺らも前世持ちだって言った方が、クラリアが気楽になっていいんじゃないか?と俺が思っていると、

「アンリエッタ様はレイズ様と、クラリア様はゴードン様とご結婚なさるおつもりなのですわよね?」

とハリエットが言った。

「…はい、将来はそのつもりですわ…」

「はっはい…いいいえ、まだ先のことですがっ…」

アンリエッタとクラリアがそう答えると、

「ならばこの夏休みは王宮に慣れる良い機会ではございませんか?」

ハリエットは微笑んだ。

そして

「私もこちらに逗留させて頂くことになった当初は、こちらのメイドの方々から毎日ドレスやアクセサリーをとっかえひっかえ身に着けさせられて、ずいぶん戸惑いましたのよ…」

と、遠い目をしてハリエットは言った。

「慣れですわ!慣れるしかありませんのよ!!」

ハリエットの力のこもった説得に、

「…そう…ですわね…」

「しっ将来のため…ですね…」

アンリエッタとクラリアも渋々といった感じで同意した。


歴史などの勉強の復習を終えて休憩のティータイムに入り、俺たちはお茶を飲みながらルードの誕生祝について話し合い始めた。

「ルードってけっこう読書家だよね?」

「うむ。本なども良いかもしれんな」

レイズとゴードンと俺は、ルードに贈る品物について少しずつ意見を固め始めた。

「もうそろそろイチゴは終わりですし…他にクロス王国の旬の果物はございますか?」

「そうですわね…桃などはいかがでしょうか?」

「たっ確かに…最近桃のスイーツが増えてますわね…」

女子たちも、ルードのために作るケーキに何を使うかを決め始めていた。

ルードへのプレゼントが大体決まってきたので、

「そういえば今日もルードはお見合いらしいな」

と、俺はふと思いついたことを言ってみた。

すると

「えっ…ルード様、お見合いをなさっているのですか…?」

という声がした。

サロンの入り口に、いつの間にかシモンが立っていた。

え?お前マジでルードのこと好きになったの?と俺は驚いた…

 

本日より第9章開始です~。下書きはもう第10章半ばですがw

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