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第8章:魔王軍の脅威と裏切り

 将軍を打ち倒したものの、魔王軍の脅威は増すばかりだった。魔王ザルガノスの配下である強力な魔族たちが、人間界に次々と侵攻を始めたのだ。

 勇者パーティーも、魔王軍との戦いに加わっていたが、その戦況は絶望的だった。各地で報告されるのは、村や町の壊滅、そして勇者パーティーの苦戦の知らせばかりだ。

 そして、信じられない報告が、王都にもたらされた。

「勇者カイルが、魔王軍と内通していた……!?」

 バルドから告げられた事実に、僕は言葉を失った。カイルは、魔王軍からより強大な力を与えられることを条件に、人間界を裏切ったというのだ。力を欲するあまり、彼は正義の道を捨て、悪に堕ちた。

 その情報が王都に広まると、人々の心には絶望と不信感が蔓延した。英雄と信じていた勇者が、まさか裏切るなどと。

 僕はリリアやバルド、そして僕を慕う冒険者たちと共に、魔王軍の侵攻を食い止めるために戦った。各地に散らばる魔王軍の部隊を、僕の「鑑定改変」と仲間たちの協力で打ち破っていく。

 ある戦場で、僕はカイルと再会した。彼は以前よりもさらに強力な闇の力を纏い、その目は完全に憎悪に染まっていた。

「佐久間! 貴様ごときが、この僕に敵うと思っているのか!?」

 カイルは嘲笑し、僕に闇の魔法を放ってきた。僕はその魔法の「軌道」を改変し、カイル自身に直撃させた。

 カイルは呻き声を上げ、地に伏した。

「まさか……この僕が……!」

 リリアがカイルに駆け寄ろうとするが、僕は彼女の腕を掴んだ。

「彼は、もう僕たちの仲間じゃない。彼は、自分の意思で裏切ったんだ」

 リリアは葛藤の表情を浮かべていた。だが、僕の言葉に、そしてカイルが放つ邪悪なオーラに、彼女はゆっくりと首を振った。

「佐久間さんの言う通りよ……。カイルはもう、私たちが知っているカイルじゃないわ」

 リリアは僕と共に戦う決意を固めた。僕の復讐心は、より一層燃え上がっていた。カイルへの「ざまあ」を果たす日が、確実に近づいていた。

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