第6章:勇者パーティーとの再戦
王都から、大規模な魔王軍討伐クエストが発表された。各ギルドから精鋭の冒険者が集められる中、僕も参加することになった。
討伐クエストの集合場所で、僕は勇者パーティーと鉢合わせした。カイル、ミリア、そしてリリア。彼らは、僕を見て驚きを隠せないようだった。
「佐久間!? 貴様、なぜここにいる!?」
カイルは僕を嘲笑するような視線を向けた。
「僕は、この町の代表として来たんです。あなたたちと同じ、冒険者として」
僕は冷静にそう答えた。
「ふん、無能は引っ込んでろ。お前ごときに、魔王軍がどうこうできるはずがない」
ミリアも僕に敵意を剥き出しにする。しかし、僕の心はもう揺るがない。彼らの嘲笑が、むしろ僕の復讐心を掻き立てる。
クエストは、魔王軍の先遣隊を撃退するというものだった。魔王軍の兵士たちは、一般的な魔物とは比較にならないほど強力だ。
カイルたちは、苦戦していた。聖剣を振るうカイルも、強力な魔法を放つミリアも、魔王軍の圧倒的な物量の前に、じりじりと後退を強いられている。
その時、僕は動いた。
「鑑定改変」
僕は、魔王軍兵士たちの「防御力」を「0」に改変した。兵士たちは、まるで紙細工のように、僕の放った軽い衝撃で吹き飛ばされていく。次々と倒れていく魔王軍兵士に、カイルたちは目を疑った。
「なっ……なんだ、あれは……!?」
カイルが呆然と呟く。ミリアが僕に魔導を放ってきた。
「くたばれ、佐久間!」
僕は冷静に、彼女の魔法の「威力」を「0」に改変した。ミリアの放った火球は、僕の目の前で、まるで花火のように虚しく消滅した。
「な、なぜ……私の魔法が……!」
ミリアは混乱し、顔面蒼白になっている。僕は勝利を確信した。
リリアが、僕に駆け寄ってきた。
「佐久間さん、お願い、私たちと協力して! このままでは、皆が危ないわ!」
彼女は真剣な眼差しで僕を見つめている。しかし、僕は再び彼女を拒絶した。
「信頼は、一度壊れたら元には戻らない。あなたたちは僕を捨てた。今、僕が助ける義理はありません」
僕の言葉に、リリアはうつむいた。カイルは、僕の圧倒的な力に苛立ちを隠せないようだった。僕の「ざまあ」の第一弾は、成功したのだ。僕の心には、爽快感と、そして、少しの虚しさが残った。