表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/12

第6章:勇者パーティーとの再戦

 王都から、大規模な魔王軍討伐クエストが発表された。各ギルドから精鋭の冒険者が集められる中、僕も参加することになった。

 討伐クエストの集合場所で、僕は勇者パーティーと鉢合わせした。カイル、ミリア、そしてリリア。彼らは、僕を見て驚きを隠せないようだった。

「佐久間!? 貴様、なぜここにいる!?」

 カイルは僕を嘲笑するような視線を向けた。

「僕は、この町の代表として来たんです。あなたたちと同じ、冒険者として」

 僕は冷静にそう答えた。

「ふん、無能は引っ込んでろ。お前ごときに、魔王軍がどうこうできるはずがない」

 ミリアも僕に敵意を剥き出しにする。しかし、僕の心はもう揺るがない。彼らの嘲笑が、むしろ僕の復讐心を掻き立てる。

 クエストは、魔王軍の先遣隊を撃退するというものだった。魔王軍の兵士たちは、一般的な魔物とは比較にならないほど強力だ。

 カイルたちは、苦戦していた。聖剣を振るうカイルも、強力な魔法を放つミリアも、魔王軍の圧倒的な物量の前に、じりじりと後退を強いられている。

 その時、僕は動いた。

「鑑定改変」

 僕は、魔王軍兵士たちの「防御力」を「0」に改変した。兵士たちは、まるで紙細工のように、僕の放った軽い衝撃で吹き飛ばされていく。次々と倒れていく魔王軍兵士に、カイルたちは目を疑った。

「なっ……なんだ、あれは……!?」

 カイルが呆然と呟く。ミリアが僕に魔導を放ってきた。

「くたばれ、佐久間!」

 僕は冷静に、彼女の魔法の「威力」を「0」に改変した。ミリアの放った火球は、僕の目の前で、まるで花火のように虚しく消滅した。

「な、なぜ……私の魔法が……!」

 ミリアは混乱し、顔面蒼白になっている。僕は勝利を確信した。

 リリアが、僕に駆け寄ってきた。

「佐久間さん、お願い、私たちと協力して! このままでは、皆が危ないわ!」

 彼女は真剣な眼差しで僕を見つめている。しかし、僕は再び彼女を拒絶した。

「信頼は、一度壊れたら元には戻らない。あなたたちは僕を捨てた。今、僕が助ける義理はありません」

 僕の言葉に、リリアはうつむいた。カイルは、僕の圧倒的な力に苛立ちを隠せないようだった。僕の「ざまあ」の第一弾は、成功したのだ。僕の心には、爽快感と、そして、少しの虚しさが残った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ