第六話 【異世界公務員】
因果応報、俺は自分が引きずり込んだ奴に復讐されたのだ・・・
もちろん、奴はまさか自分が一般人に、異世界に飛ばされたなどとは思っていないはずだが。
何はともあれ俺は俺自身のけじめを付けなくては・・・
カメラに写る中年男性。
この中年男性をターゲットAとしよう。
Aは洞窟で随分贅沢な暮らしをしていた。
この腹の立つニヤけ面を恐怖でくしゃくしゃにする方法。
それをターゲットA金品奪還作戦としよう。
なけなしの金で火薬を用意した
────ターゲットA金品奪還作戦当日
ドローンから、いびきが聴こえる。
健在時刻は夜11時時、何健康的な生活をしてくれちゃっているのだろうか・・・
火薬を紙で包んだ雑なカプセル状の爆弾を洞窟に投下する。
そして炎魔法で導火線に着火させた。
──凄まじい轟音。飛び起きるターゲットA、たまらなく面白い。
しかし、様子がおかしい。
何かを持って操作している。
───スマホだ、この世界でスマホを持っているのは自分だけでは無かったのだ。
聞きなれたサイレンの音。
赤、白、黒、3つの巨大な影が近づいてくる。
俺は気づいた。
「ちくしょう!!嘘だろ!?あいつ・・・」
男は錯乱していた。
この俺自身もだ。
「あいつパトカーと消防車と救急車呼びやがった!!!」
近くにあった稼いだ金をどさくさに紛れて盗み(取り返し)急いで洞窟から逃げた。
そして何事もなかったかのように仮住まいにもどった。
綺麗な顔をして寝ているアキの隣にお金を置き、そして何事もなかったかのように眠りに着いた。
その後
修復が完了し、家は治った。
そしてその日例の救急士、消防士、警察、泥棒のギルドが新しく結成されたらしい。
近々挨拶に行こうと思う。