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異世界転生ワイヤレス転生  作者: 名無しのジンベエ
第一章:Bluetoothは突然に
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第5話    【強制接収】

俺は全財産を失った















もちろん彼女、アキの食費に全部使った訳では無い。



彼女の食費は確かに常軌を逸している。


しかし、今回金欠になったのはそれが原因ではない。





金を盗まれたのだ。




時は6時間前に遡る。


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「これでやっと、アキの家を直せるね~」


「はい~!嬉しいですね~!」


場は驚くほど和んでいた・・・


それもそのはず、3週間前にトラックにより粉砕された家が修復できるほどの金が今日貯まったからである。


今のアキは目の前のトラックを呼び、家を粉砕した男ですら今では共に金を稼いだ心強いパーティーメンバーとして扱っている。


「そうだ!お祝いに、そこで飲んできませんか?」


「いやいや~そんな事いって使っちゃうんだから・・・それにアキ未成年でしょ?」


「それもそうですね・・・」


アキは未成年にも関わらず酒を飲むつもりだったのか?

そういえばここはいくつから酒が飲めるのだろう?なんて事を考えていた。


この世界に銀行は無いので、手に持っている袋が全財産だ。















その全財産が目の前で消えた。


忘れたり、落としたのでは無い、消えたのだ。


そして近くの民家の屋根に黒い影、消えたのでもなく、盗まれたとその時初めて気づいた。


その屋根に乗る男はよく顔は見えなかったが、確かにニヤリと笑い、去っていった。


「兄ちゃんやられたな~」


そこにはいかにも武器屋に居そうな筋肉ムキムキのハゲたおっさんがいた。


「ありゃ最近になって出てきた盗賊だ、奴に物を取られると戻ってこないぜ・・・」

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という事だ、アキはショックで寝込んでしまった。


おっさんの助言で奴の居そうな所を地図にマークしてもらった。


彼女のために自分で探さなくては。


買っておいたドローンが、火を吹くぜ!


早速覚えた魔法で、ドローンを充電する


前までドローンはおもちゃの様なものだったが、役に立てる時代が来たのだ!


コントローラーを持ちドローンを動かす


半径200メートルドローン起動!!


ドローンに付いたカメラを使いスマホで操作する。




「ん、ここは・・・」


アキの眼前で頭を振り回す不審者が存在感を放つ!




────彼女は再び寝込んだ。




路地裏に入って行く、繊細な作業は学校で鍛えられた努力の結晶だ。殆ど行ってなかったけど


しかしどこを探してもアジトは見つからない。


そもそもアジトがあるという先入観が良くないのか。



洞窟を探しても町から離れると、


ガコンッ


「あっ」

鳥にぶつかり、湖にドローンが着水してしまった。

バードストライクってやつだ。


そのまま湖に落ちたドローンは防水なので壊れてはいないものの、湖に浮いていて飛ぶ事ができない。



───その時、誰かがドローンを拾う



それは例の盗賊だった、そして顔がはっきり見えた。








そう、その顔は俺が引きずり込んだトラック運転手そのものだった

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