第三話 【宅配便DEATH・COUNTDOWN】
ベットから出られない…
今すぐにでも二度寝したい…!
キングオブ自堕落したい…!
────こうして俺は結局二度寝した、外に放り出されているかもしれない。
ふかふかのベットの中で起きる。
捨てられてはいないようだ。
その時起き上がる反動で何かがベッドに落ちた。
─────!?
恐ろしい顔が目の前に…
と思ったがこれはただの木製の置物だ。
完璧に目が覚め、今度こそ地に足を付けて立ち、スマホで時計を確認すると、時計が表示されていて、自分のだらしなさにため息をつく。
ここはポツリとたたずむ一軒家。
ベットはここしかないので、俺が寝ている間は彼女もベットを使えなかったのであろう、床には布団がしかれていた。
家からでると石像に祈りを捧げる彼女がいた。
「おはようございます、珍しい服で、長いこと寝ていたので心配でしたが、これでひと安心です。」
丁寧に彼女は対応してくれた。
(若干着ているジャージをディスられたが…)
それと言語は日本語でイケるっぽい。
「初めまして、おはようございます。助けていただきありがとうございます。僕はこことは少し違う所、言うなれば異世界から来ました。この服もその世界の名残なのです。僕はこの世界から、元の世界に戻りたいのですが…どうすればいいでしょうか?」
「そうだったのですか…それならある言い伝えを知っています。それは───
バリバリバリグシャァッ!!
その時板や柱の割れるひどい轟音が響いた。
振り向いた瞬間、度肝を抜かれた。
「あれは俺の荷物の乗っている…」
「イテテテテテ、寝ている間に横転するわ、競馬では負けるわ、俺がなにしたってンだよ…」
それは巨大なトラックだった。
しかも人も乗っている。
衣服やトラックを見た感じ俺のいる世界、日本の住民である事がわかる。
恐らく昨日頼んだ宅急便だ。
これはいいニュースだった。
しかし、勢いよく降ってきたトラックに、一軒家が潰されている。
そう俺は恩人の家を自分で豪快に破壊してしまったのだ。
トラックの運転手は部屋から出てきた置物に驚いて、どっかにいっていってしまった。
…この家は邪神崇拝でもしてるのか?
───この気まずい空気をどうしてくれるのだろうか。
「・・・」
なにも言わずトラックからタピオカを出して、彼女に渡す。
────バッシィッン!!
激しいビンタの音が鳴り響く…
普通、自分の家をトラックで破壊されたら、誰でも激怒するだろう。
それを彼は理解していない。
その後長い沈黙の中、言葉を発したのは彼からだった。
「ここで働かせてください!!」