第二話 【謎の少女とGPS】
目と鼻の先にゴツゴツとした肌が現れる。
一触即発、付和雷同、焼肉定食、寿司職人。
可愛い見た目とは裏腹に、この場では今にも襲われそうな緊迫した空気が漂う。
────この時まだ、自分にチート能力があると、心の中で少し思っていた。
───!
鈍い音が鳴る。
一瞬の出来事で受け身も取れず、大体4.5メートル先まで飛び、体を強打する。
そして俺は人生で二度目の気絶を体験した。
───窓から漏れる木漏れ日で目が覚める。
そこには可愛らしい童顔の女の子がいた、年齢は16~18ほどだろう。
彼女は俺には気付かず、作業をしている。
寝返りを打つふりをしてベットの中で横になり、いままでスマホで試していなかった事を一通り試してみる。
まず住所、GPSの機能で現在地を巻き戻し、
どれぐらい寝ていたか、調べてみる。
マップは勿論ここに来た先駆者がいないはずなので、住所はあっても機能がするのは距離計算だけだと思っていた。
しかし意外な事にも航空写真や、町や村の名前の記載もあった、しかも先月の更新だ。
どうして記載されているのかは不明だが、ありがたい。
しばらくスマホをいじった結果、分かった事がかなり多くある。
動画の一話で出てきたミセリア村はもうすでに消えている、金玉ファイヤーボールが写っていた。
SNSやカメラも使えるそうだが、異世界に来たなんてほざいても信じてもらえないだろう。
届くかわからないが宅急便も頼めるらしい。
クレジットカードで、スコップなどの工具、ドローン、食料と水を、少女へのお礼の、タピオカ1キログラムを頼んでおいた。
(女子はこういうの好きだろ?)
9時間後に届くらしい、異世界に配達されるとは思えないが…
さて、そろそろ起きなくては、
確認した時計が正しければ15時間も寝ているからな。
そして彼はゆっくりと体を起こした