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under 500 Ⅱ

木無塚市

木無塚市というところにやってきた。


友達がここに移り住んだらしい。


友達はとても優しく、落ち込んでいた僕を、いつも励ましてくれていた。


友達が結婚して、移り住んでからは初めて会う。


初めて住んでいる場所に行く。


素直でやさしい友達に会えることを、ずっと前から楽しみにしていた。


早めに駅に着いてしまった。


予定よりも、ひとつ早い電車で来てしまった。


車で迎えに来てくれる予定なので、ベンチで待つことにした。


でも、そこにはもう友達がいた。


友達は僕を見つけると、すぐに駆け寄ってきた。


「はやく来すぎても困るよ」


「ごめん」


「心の準備が出来てないから。早く着きそうなら連絡してくれないと」


「ごめん」


「乗って。後部座席の左側ね」


「あ、うん」


以前の友達と、全く変わっていた。


昔は気を使う人で、あまりこだわりを押し付けてくる人ではなかった。


自分のことより、他人を優先する柔軟な人だった。


それなのに、今は気難しくなりすぎている。




噂には聞いていた。


この木無塚市に住み始めると、どんな人でも、気難しい人間になってしまうと。


「シートベルトはゆっくり動かしてね。それで使い終わったら、ゆっくり元通りにしてよ」


「うん」


昔の友達がとても恋しい。

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[一言] 僕は何市から来たのだろうか
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