異世界拉致問題
異世界拉致問題または異世界拉致事件とは。
以下、Wikipedicaより引用。
2000年代ころより、急に増えた若者が忽然と姿を消す現象。
トラックに引かれそうになって消える、仕事の残業中に消える、自宅の風呂場で消える、なかには授業中にひとクラス全員が消えてしまうことも。
20xx年、異世界から"帰還した"山嵜氏らの発表によりそれが異世界拉致事件であることが初めて発覚した。
山嵜氏は高校生であった20xy年に、20名のクラスメイトと同時に「勇者召還」と称した拉致の被害に遭ったが、6年後の20yz年にクラスメイトと協力し魔王を討伐するなど、どうにか5名だけ日本への帰還が成功した。
当初はただの家出だ、嘘松などといわれていたが、現地に残る仲間と"魔道具"と呼ばれる通信機で、現地の情報や画像・動画をネット上に公開することで拉致の被害を訴えた。その後に同様の被害に遭った帰還者が次々に「勇者召還」や「聖女召還」等の被害の報告を行い、世間を騒然とさせた。当時は空前の異世界ブームとなり、さまざまな検証番組や検証本の発売などが相次いだ。とりわけ「スキル」や「魔法」と呼ばれる不思議な能力はテレビやネット番組で何度も検証され、能力者であった山嵜氏とそのパーティメンバーは画面で見ない日はないという程、いわゆる"時の人"となった。
山嵜氏らの"魔道具"を通して異世界側とのコンタクトに成功した日本政府であったが、政府側が把握できた拉致事案は32件、拉致被害者は47人。異世界側は、このうち26人(男性16人、女性10人)について、日本人拉致を公式に認めており、今までに15人が日本に帰国に成功しているが、残り11人については「7人死亡、4人は入界せず」と主張している。日本政府は「全員が生存しているとの前提で対処する」との立場をとっている。
日本国内では、20yy年に拉致被害者の御家族により「異世界による拉致被害者家族連絡会(家族会)」が結成されるなど、被害者の救出を求める運動が活発に展開され、20xx年10月現在で1200万筆を超える署名が総理大臣に提出されている。
異世界による拉致問題は、日本国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、国の責任において解決すべき喫緊の重要課題である。 日本政府は、これまでに、帰国した15名を含む26名を異世界当局による拉致被害者として認定しているが、この他にも拉致容疑事案や、いわゆる特定失踪者も含め拉致の可能性を排除できない事案がある。
日本政府としては、異世界側から納得のいく説明や証拠の提示がない以上、安否不明の拉致被害者は全て生存しているとの前提に立ち、引き続き、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くすとしている。また、これ以上「勇者召還」や「聖女召還」と言った拉致を起こすことのないよう異世界側に求めていくと20xx年の異世界拉致問題会議で提言している。