カンドラの裁き・一
取調室からテランジンとサイモン大将が出て行った後、テランジンの子分でもある海軍士官五人がカンドラ達を牢屋へ戻すため手錠を掛けた。
「さぁ牢に戻るぞ、歩け」
と、テランジンの子分に言われカンドラ達は、重い足取りで牢に戻って行った。カンドラ、チャーリー、コールは、同じ牢内に居る。チャーリーとコールは、完全に諦めているのか壁にもたれ冷たい石畳の上に座り呆然としていた。カンドラは、右腕の義手を外し既に取り外された刃物の跡を悔し気に見ていた。
「畜生め、あの野郎がまさかイージス鋼の帷子なぞ着ていたとはな…ただの鎖帷子だったら刺し殺せたのに畜生め」
「なぁ兄ぃ、俺達本当にカツみてぇにボロボロにされるのかなぁ…何で鋸なんかで脚切らせたんだよ」
と、コールがカンドラに言った。チャーリーもそうだと言いカンドラを責めた。
「そうだぜ兄貴、何もあそこまでやる事なかったんだよ、腕一本で良かったんだ」
「何を今更言ってやがる、下らねぇ事考えてる暇があるんなら、どうやってテランジンとルーク、シンを殺すか考えろ」
「ええ?まだ殺る気かよ兄ぃ」
と、カンドラの言葉を聞きコールが驚いて言った。カンドラは、当たり前だという顔をした。何のためにメタルニアの役人に大金をばら撒いて生き延び自分達の組織を大きくしたのか、そしてトランサーに来たのか、それは、テランジン達に対する恨みを晴らすためじゃなかったのかとカンドラは、チャーリーとコールに言った。
「そ、それはそうだったが、まさか奴が元の軍人に戻るとは思わなかった」
「そうだぜ、いつかデスプル島に帰り今度は海賊テランジン一家を追い出そうってだけの話しだったはずだぜ、話しを大きくしていったのは兄貴じゃねぇか」
と、コールとチャーリーが言った。カンドラは、二人に責められたが、特に言い返す事もせずただただテランジン、ルーク、シンを殺す事だけを考えていた。
カンドラの若衆達の取り調べが全て終わった二日後、城下町にある評定所でカンドラ一家の裁きが行われる事となった。調べが全て終わり暇が出来たのでテランジン、ルーク、シンは、久しぶりに港町にある大衆酒場兼食堂の「青い鳥」に行った。
「よう、オヤジ、いつもの奴頼むぜ」
と、ルークが店主に声を掛け三人は、店の奥の席に着いた。ほどなくしてシンの恋人である店の看板娘のライラが三人分の酒を持って来た。
「お疲れさま、明後日カンドラ一家のお裁きがあるんでしょう?」
と、ライラが開口一番言って来た。テランジン達は、驚いた。
「何だもう知ってるのか?早いな」
「ええ、町中お裁きの話しで盛り上がってるわ」
と、ライラが答え他の客席の空いたコップを下げに行った。
「明後日か…カンドラ、チャーリー、コールは死刑としても拷問に加わった若衆三人はどうするよ?兄貴」
と、ルークが酒を一口飲みながら言った。テランジンは、難しい顔をしてテーブルの上に置かれたコップを見つめていた。シンも一口酒を飲み言った。
「殿様はカツと同じ目に遭わせろと言ってたが本気なのかなぁ?」
「う~む、裁きの日まで分からんな、しかし何らかの罰を与えろと言う事は変わらんだろう」
「何だ何だ皆して辛気臭い顔して、やっと連中の調べが終ったんだろ?パァーッと飲んでくれよ!ほれ、これはカツの分だ、置いとくぞ」
と、店主がテランジン達の席まで来て酒の入ったコップを一つ置いて行った。
「すまんな、オヤジ、カツの分まで用意してくれて、ありがとう」
「おい、カツ、明後日お前をあんな酷い目に遭わせたカンドラ達の始末が着くぞ、あの世でしっかり見ていてくれよ」
と、ルークが言い店主が置いて行ったコップに乾杯した。テランジンもシンも乾杯し一気に酒を飲み干した。トランサー城内では、食事を終えたレンが珍しく自分から酒を飲むと言いエレナの傍で一人飲んでいた。レンもカツの分だと言ってコップに酒を注ぎ自分の目の前に置いていた。
「どうしたの今日は?一人でお酒飲むなんて」
と、エレナがレンの空いたコップに酒を注ぎながら言った。レンは、注がれた深紫色の酒を見つめながら答えた。
「うん、何だか今日は飲みたい気分でね、エレナも飲みなよ」
「そうね、じゃあ」
と、エレナは、部屋の戸棚から小さめのコップを持って来た。レンが酒を注ぐとエレナは、それを一気に飲み干した。
「ふぅぅぅ久しぶりだわ、私お酒あまり強くないから」
「って言って一気に飲み干しちゃ駄目だよ」
と、レンが驚いて言うとエレナは、ふふっと笑い今度は、自分で酒を注ぎ軽く一口飲んだ。
「カツさん、弟のリュウがね、あなたやシンさんに憧れて海軍に入るそうよ、あの子が立派な軍人になれるよう見守ってあげてね」
と、エレナは言ってカツの分のコップに乾杯した。レンは、初めてデスプル島でテランジン達に会った時の事を思い出していた。あの頃のルーク、カツ、シンは、いかにも海賊といった雰囲気を醸し出していたが、いつの間にか軍人といった雰囲気に変わっていた。その変化がレンには、妙に面白く思えた。そして、自分の大事な家臣にあんな酷い目に遭わせたカンドラ達に対する憎しみが改めて込み上げて来た。
「カンドラ…絶対に許さない」
と、レンは、呟き一気に酒を飲み干した。
裁きの当日、レンは、ヨーゼフ、テランジンと共に城下町にある評定所に馬車で向かった。ルーク、シンそしてサイモン大将ら直接カンドラ一家の捕縛に参加した者達は、既に評定所に居た。評定所の中にもある牢屋には、前日に収監されたカンドラ一家の姿があった。牢内は、狭くすし詰め状態になっていた。役人が数名カンドラ達を監視している。コールと若衆達の大半は、諦めて覚悟を決めたのか静かにしていたが、カンドラ、チャーリーと一部の若衆達がぎゃあぎゃあ喚き散らしていた。
「こんな狭いとこにいつまで居れとく気だ、おい、聞いてるのか?さっさと出しやがれ!」
「早く出せや、こらぁ!」
役人は、呆れているのか何も言わず監視している。そこへ他の役人が来て監視している役人に裁きが始まる事を伝えた。しばらくするとテランジンの子分である海兵が十人やって来た。
「さぁ裁きの時間だ、まずは子分達から始めるそうだ、名前を呼ばれた者から順番に出ろ」
と、役人は、言いカンドラの若衆十人の名前を読み上げ牢から出すと海兵が法廷に連れて行った。若衆の大半は、メタルニアへ送還される事となった。この連中は、カツが殺された後からトランサーにやって来た連中だったので、カツへの拷問殺害に直接関わっていないとしてメタルニアの裁きに任せる事にした。同じ様にまた、若衆十人の名前が呼ばれ海兵に連れて行かれた。
「なぁ兄貴、名前を呼ばれるのは皆、後から来た若い衆だけだぜ」
と、チャーリーがカンドラに言った。
「そうだな、テランジンの野郎、俺達を最後まで取っておく気だな」
カンドラは、壁に背中を向け出て行く若衆を見ながら言った。その若衆の中にカツに拷問を加えた三人の若衆が居る。
「おい、ポッツ、マイキー、グアンお前達は俺達と一緒にテランジンに拷問されるぜぇグフフフ」
と、カンドラが笑いながら言うと名前を呼ばれた三人は、泣きそうな顔をして言った。
「お、親分は怖くないんですか?鋸で脚切られるんですよ自分は絶対に嫌ですよ!どうせ殺されるんなら楽に殺して欲しいです」
「切られるのはお前だけだポッツ、俺はやってねぇからなグフフフ」
「そ、そんな?!切れって言ったのは親分じゃないですか?!何で俺だけ…」
「やかましい!てめぇが代表して切られりゃ良いんだよ、分かったか!」
と、チャーリーがポッツの頭を叩きながら怒鳴った。そんなやり取りをしている間もどんどんカンドラ達の後からトランサーに来た若衆達が呼び出されている。カンドラが気付いた時には、牢内にはもう自分とチャーリー、コールそして一緒に来た十人の若衆達しか残っていなかった。
「随分と広くなったもんだ」
と、カンドラが妙に感心していると海兵が若衆だけを呼びに現れた。
「何だよ、俺達の裁きはまだかよ?」
と、カンドラが海兵に聞いたが、海兵は何も答えず若衆だけを連れて行った。若衆十人が法廷に連れて来られた。
「レオニール王子の御前である、平伏せよ」
と、ヨーゼフに言われ若衆達は、皆素直にその場に平伏した。
「これから其の方らの裁きを申し渡す、面を上げい」
と、今度は、ジャスティ大臣が言い若衆達の罪状を読み上げ刑を言い渡した。
「今、罪状を読み上げた者共はメタルニアで服役する事になる、立ちませい」
と、ジャスティ大臣が言うと海兵が若衆七人を法廷から連れ出した。残った三人は、カツの拷問に加わった者達である。法廷内が急に静かになった。居並ぶレンやヨーゼフ、テランジンなどトランサー王国の重臣達を見て若衆三人は、ただ震えていた。ジャスティ大臣は、咳払いを一つ落とし言った。
「其の方ら、なぜ残されたか分かるか?」
若衆三人は、それとなく気付いている。
「は、はい…自分達がカツさんに拷問したから…」
と、三人の誰かが蚊の鳴くような声で答えた。ジャスティ大臣は、テランジンに目を向けた。テランジンは、うんと頷き手に布に包まれた何かを持って若衆三人の前にしゃがみ込んだ。三人は、床に座らされている。
「おい、これを見ろ」
と、テランジンは、布を取ると切れ味の悪そうな鋸が現れた。カツの右脚を切り落とした鋸である。若衆三人の顔が青ざめた。ジャスティ大臣がまた咳払いをして言った。
「ポッツ・ビート、其の方、今ロイヤー大将が手にする鋸でカツ・ブロイ中佐の右脚を切断し暴行を加えた事、相違ないな?」
「ああああ、あれは親分がやれって言って、やらないと俺に罰を与えるって、仕方がなかったんです」
「親分の言動は絶対だからなぁ」
と、言い訳するポッツにテランジンが静かに言った。ポッツは、カツの脚を切り落とした時の事を思い出したのか急におえおえと吐きそうになっていた。そんな様子を一段高い席からレンがやり切れない思いで見ていた。ジャスティ大臣は、残る二人に目を向け言った。
「マイキー・バイツ、グアン・ナール其の方ら二人は、カツ・ブロイ中佐の左指の爪を剥がし親指を道具を使って潰し暴行を加えた事、相違ないな?」
「おお親分にやれって言われて…」
「し、仕方がなかったんです」
と、マイキーとグアンは、テランジンが持つ鋸を見つめながら答えた。恐怖で全身を震わせている。法廷内に居るルークとシンは、ポッツ達を見てカンドラが支配していたデスプル島を思い出していた。ルークとシンには、ポッツ達の気持ちが痛いほど分かる。カンドラにやれと言われれば必ずやらなければならない。例えば昨日、楽しく酒を酌み交わした相手でもカンドラに殺せと言われれば殺さなければならなかった。断れば自分が殺される。デスプル島にテランジンが現れるまでの間、そういった光景を嫌と言うほどルークとシンそして殺されたカツは、見て来たのだ。
「親分に言われたからと言ってやって良い事と悪い事の分別もつかんのか?愚か者め!其の方らにはカツ・ブロイ中佐が受けた同じ痛みを与える」
と、ジャスティ大臣が厳しい表情で言った。実は、芝居であった。テランジン、ルーク、シンは、ポッツ達を改心させようとレン、ヨーゼフ、ジャスティ大臣に一芝居打って欲しいと話しをしていた。レンも最初は、カツが殺された怒りでカツと同じ拷問をすると言っていたが、時間が経ち気持ちが落ち付いて来ると考えが変わった。むしろカンドラに拷問をさせられた三人に憐れみを感じ始めていた。しかし、ただ許すだけでは、ポッツ達は改心しないだろうと思い、本当に恐ろしい思いをさせる事で改心させようとしたのだった。
「死刑でも何でもいいですから、どうかどうか拷問だけは勘弁して下さい」
「お願いします」
「どうかどうかお願いします」
ポッツ達は、必死になってジャスティ大臣に頼んだが知らぬ顔をされた。
「裁きを申し渡す、ポッツ・ビート、マイキー・バイツ、グアン・ナール、カツ・ブロイ中佐に対する暴行、拷問、殺害の罪によって死刑に処す、なお刑の執行はロイヤー大将、メタール大佐、クライン中佐に任せる、引っ立てい」
と、ジャスティ大臣が厳かに言うとポッツ達は、狂ったように喚き散らし泣き、法廷内に居たメタルニアの役人スミソンを見つけると助けを請うた。
「ススス、スミソンの旦那ぁ助けて下さいよぉ」
「ごご拷問で殺されるなんて絶対に嫌だぁ」
「ふん、自業自得だ!このメタルニアの恥晒しめ」
と、スミソンは、助けを請うポッツ達を睨み付けながら怒鳴る様に言った。ジャスティ大臣は、ポッツ達を連れて行くよう海兵に命じ刑場にある死刑囚を収監する施設に身柄を移しに行った。ポッツ達が法廷から消えるとスミソンが席を立ちレン達に深々と頭を下げ言った。
「誠に誠に申し訳ありません、この場をお借りしてキャデラ大統領に成り代わり深く深くお詫び申し上げます、先に裁きを受けたカンドラの若衆と呼ばれる者達はメタルニアに送還が終わり次第、きっと厳罰に処します」
「そのように願います、それと先ほどのポッツ達ですがトランサーとしては彼らを死罪にする気はありません」
「えっ?」
と、レンの言葉を聞きスミソンは、驚いた。レンは、テランジンに話してと合図を送った。
「やくざ、海賊、おそらく山賊も同じでしょうが親分子分の関係を結んでしまうと子分は何が何でも親分の言う事を聞かなければならないのです、親分の言動は絶対なんでね、カンドラの様な男の子分となった彼らの不運ですよ、彼らはまだ若い、やり直そうと思えばいくらでもやり直せるでしょう、その人生を…しかしただ許す事は出来ません、彼らにもそれ相応の罰を与え改心させます、彼らが改心したらメタルニアは彼らを受け入れますか?」
と、テランジンが言った。スミソンは、トランサー王国に対し何と言う寛大な国なんだと感心し感動した。カツがカンドラ達に殺されたと聞いた時、絶対に戦争になると思った。なぜならばカツ・ブロイは、元海賊ながらトランサー国民となり軍人となり、イビルニア戦争で活躍し世界の海軍の間では、ちょっとした有名人でもあった。そのカツをメタルニア国籍を持つ者が暗殺したのだ。しかも拷問を加えて。おまけにイビルニア人や半イビルニア人まで関わっていると聞きメタルニア政府は、戦争を覚悟したと言う。それでも何とか戦争は、回避せねばならずメタルニア大統領セビル・キャデラは、カンドラ達を良く知ると言われる自国の役人であるスミソンに全権を委ねトランサー王国との交渉を任せた。交渉当初は、ジャスティ大臣や外務を担当する貴族などが怒りで戦争まで考えていたが、レンやヨーゼフが戦争までは、考えていないと知り思い直し、その代りカンドラ一家の処分は全てトランサー王国に任せると言う条件で合意した。
「ほ、本当に死罪にせずともよろしいので?」
「はい、真の悪党はカンドラ、チャーリー、コールの三人です、この三人はランドール領デスプル島に居た頃から知ってますが昔も今も全く変わっていない、あの時殺しておけば良かったと後悔してます」
と、テランジンが悔し気に言いスミソンにデスプル島に居た頃の話しをした。
「なるほど、そんな事があったのですか、だからカンドラはロイヤー大将に恨みを」
「あの野郎の残虐性をほぼ毎日見てました、カンドラはチャーリーとコール以外の者を人間だと思ってねぇんです」
「兄貴に腕一本で済ませてもらって助かったと言うのに逆に恨みを持つなんて」
と、ルークとシンが暗い顔をしてスミソンに言った。スミソンは、カンドラ達をランドールからの移民だと思っていた。移民が裏社会で生きるため自分の様な役人に賂を渡し悪事を見逃してもらおうとしていると思っていたし実際にカンドラ達が捕縛されないよう手を回した事もあった。悪党同士の潰し合いなら手間が省けて良いとさえ思っていたが、まさか他国で悪事を働くとは、考えてもいなかった。しかも殺人である。そんな男から賂を受けていたと改めて思うとスミソンは、背筋が凍る思いをした。
ジャスティ大臣が、ちらりと時計を見てもうこんな時間なのかといった顔をして休廷を宣言した。レンは、昼食をとるためヨーゼフを連れ評定所を出て近所の食堂へ向かった。
その頃、評定所内の牢でカンドラは、自分達の裁きはいつ始まるんだと喚き散らしていた。
「うるさいぞ、静かにしろ!」
「どうせ死刑なのは分かってるんだ!いつまでこんな所に閉じ込めておく気だ!」
と、カンドラと監視役が話していると休廷となりカンドラ達の裁きは、午後からになるとの知らせが入って来た。
「今、王子達は食事休憩に入られている、貴様らもこれでも食って今しばらく待て」
と、役人がカンドラ達三人分の食事を持って現れた。粗末な食事であった。チャーリーとコールは、それでも食えるだけましだと思い食べた。カンドラは、食べ物を見て何か思い出したのか義手を外し監視役に見付かれないよう中を覗いた。
「何だよ兄貴、食わねぇのか?」
「んん?ああぁ!食うよ、そんな事よりこのお粗末な食いもん見て思い出したぜ、手ぇ出せ」
と、カンドラは、小声で二人に言った。
「これだ、ライヤーの野郎からもらった薬だ、いざと言う時に飲んだら役に立つってな、ほれっ」
ライヤーとは、以前ラストロを担ぎ上げ謀反を起こしたヘルゲ・ブラッツ侯爵にメタルニアから呼び寄せられた殺し屋で毒殺を得意とした半イビルニア人である。カンドラは、義手の中に隠してあった薬をこっそりと取り出しチャーリーとコールに渡した。
「一人一粒だ、本当に効くか分からんがこんな時だ、飲んでみる価値はあるぜ」
カンドラ達は、監視役に気付かれないよう薬を飲んだ。三人は、酢を飲んだ様な顔をした。
「何だこれ?兄貴これ腐ってんじゃねぇのか?」
「腐ってるとは何事だ!」
と、監視役が怒った様に言った。コールが慌てて出された食事の事じゃないと言い訳した。監視役は、不審に思ったがそれ以上何も言わなかった。
「これ飲んでどうなるか分からんが、あのライヤーが俺にこう言った、親分何か危機に陥った時これを飲んだら必ずその危機から脱出出来るってな」
と、カンドラは、言いニヤリと笑った。




