8.思索にふける
感想ありがとうございました。七ヶ月ぶりの更新がこんなのでごめんなさい。何も動いてないです。ただの唯子の独り言です……。
っていうやりとりがもう三日前のことで。
認めてしまえば何てことはなく、暴露してしまえばどうってこともなく。一体私は何をあんなに怖がってたんだろ、と自分でも不思議に思うくらい。これだから恋愛経験ゼロのお子様は。
…………そうだ、もしかしなくても私、これが初恋だ。
今になってやっと気づくってのも馬鹿みたいな話だけど、今まで気づかなかったんだからしょうがない。私はとことん恋愛体質じゃないらしい。今まで自分の気持ちに見て見ぬフリをし続けてたからってのもある。
そっか、うわ、「初恋」なんて。なんてこそばゆい響き。
そんなことを頭の中で考えながら、でも表層には出さずに。登校する生徒たちの流れに乗って校門をくぐる。
敷地内に入ってしまえば、視界に入る人たちはほとんどが、同じ制服を着た同じような背格好の人なのに。
遠目に見ただけでも、目の端が捉えた、今ちょうど昇降口に消えた男子生徒が誰かってことがわかってしまって、そんな自分にびっくりした。
……参ったな、これが恋か。耳の次は、目なのか。こんな変化にもいちいち驚いてしまう。つくづく、私は恋愛体質じゃないらしい。
***
さて、私は穂坂くんのどこに惹かれたんだろう。
これは千佳たちにも聞かれたんだけど、正直言って私にもよくわからない。顔はいいし頭もいいし、いいところはいっぱいあるんだけど、そういう条件が決め手になったってわけでもないと思うんだ。
ただ、穂坂くんには引力があった。ただそれだけだって、私は思ってる。
理由もはっきり言えないまま好きでいることがいいのか悪いのかなんて私にはわからないけど。でもどうやら私が穂坂くんを好きなことは確からしい、と本日何度目かわからない、群集の中の穂坂くんを瞬時に見分けるスキルを無意識に発動させながら思う。このスキルは恋する乙女なら誰でも持ってるんだって。千佳曰く。だからそのスキルを身につけた私は恋する乙女だってことになる。
なんか変な感じ。
祝復活。さて、今月は何回更新するでしょうか……。がんばります……。




