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13.女子会

長いですが、主に会話文です。唯子+千佳+真由美+香苗の四人娘。

どの言葉が誰のものか、わかるでしょうか。

「唯子、その後どうよ?」

「何が?」

「とぼけんな!」

「ああ、世界史の課題?んー、ちょっとやばい。提出期限ギリギリになるかも。あと私、ルターとルソーがごっちゃになってどっちがどっちかわかんなくなってたまに書き間違える」

「ちーがーう!わざと言ってるでしょ!ってかルターとかルソーとか超どうでもいいし!」

「よくないし!成績かかってんだから!」

「ルソーってフランス人?」

「うん、哲学者」

「あ、そっか。ジャン=ジャック・ルソー」

「いやフルネームなんて知らないし」

「もー!脱線してるよ混ぜっ返さないでよ真由美ー!あたしは今、唯子と恋バナしたいのー!」

「私は話すこと無いよ!?」

「嘘つけ!あれからそのことに関して何も言わないじゃん!あたしすっごく気になってたのに、いろいろ聞きたかったのに、でもがっつかないで待ってたのに!進展とか心境の変化とか何か無いの!?」

「さあ……?」

「出たよ唯子のマイペース!」

「今に始まったことじゃないじゃん」

「知ってるよ!でもあたしは恋バナがしたいのー!」

「じゃあ千佳、あたしと恋バナしよう?」

「香苗とは、やだ。彼氏持ちが恋バナとか言っても、最終的に絶対ただのノロケになるじゃん」

「香苗は無自覚にノロケるからね」

「じゃあ江本唯子からの提案です!真由美が元バレー部の湯川先輩と最近メールのやり取りを頻繁にしている件について、追及するのはどうでしょうか!?」

「ちょっと唯子!あたしに振らないでよ!あたしと湯川先輩はそんなんじゃないってば!」

「そのセリフは聞き飽きた」

「いい加減に認めればいいのに」

「湯川先輩って意外と押しが強いんだね……」

「ほら、あたしのことはいいから!唯子!唯子の話なんでしょ、千佳!」

「そうだったね。で?唯子?全部吐きな!」

「うわあ、振り出しに戻ったぁ……」


 今日は短縮授業で部活もナシの、久しぶりにみんなで過ごす放課後。マックで女子会です。やっぱりこの子らといると落ち着くし楽しい。今日の議題からは、逃げ出したいけど。こういうの自分から話すの、ホントに苦手なんだってば……。


「でもさー、穂坂くんってほんとに彼女いないのかなー」

「本人はいないって言ってるみたいだけどね」

「男女関係無く、よく話すじゃん。女子の友達も多いけど、特定の人と仲良い!ってことは、ないよね」

「案外、実は他校にいたりして、ね」

「彼女いたらいたで騒がれるから、秘密にしてたりしてねぇ」

「……ねぇ、唯子ぉ」

「……ん?何?」

「穂坂くんの名前が出た途端、急にしゃべんなくなったね」

「ほかの人が話題になってたらかなり食らいついてくるくせにね!」

「えー、そんなことないよぉ」

「そう?それならなんか話してよー。あの後、しゃべったりした?」

「…………」

「あー!目ぇ逸らしたー!何かあったんだー!」

「……いや、別に、話すほどのことは、何も」

「あったんだー!なに?なに?」


 なんかこの子達には何もかもお見通しっていうか、多分明るいノリだったら私が話しやすいかと思ってわざとこんな風に聞き出そうとしてるんじゃないかな。うん、ありがたい気もするんだけど、やっぱり恥ずかしいなぁぁぁぁぁ。

 でも何とか、この前の書道の授業の後のことを話した。


「で、つくづく思い知ったんだけどさぁ……」

「うん?」

「穂坂くんって。天然タラシだよねぇ……」

「天然なの?」

「天然だよ絶対。あれが人工で、意図的にやってるんなら犯罪だよ」

「そこまで言う?」

「だって。教室に二人きりってだけでもドキドキしまくりなのに。いちいち言う言葉とか行動とか、なんか、何て言ったらいいかわかんないけど……」

「あー言いたいことは何となくわかる」

「わかる?」

「わかるわかる」

「うん、まぁつまり、そんな感じなの。でも、言ってる本人としてはさ、別にたらし込もうとかそんなことはぜんっぜん考えてなくて。自然に言ったりするの。多分相手が誰だったとしても同じことしたと思う。当然みたいにして。だから女友達多いんだろうし、告白する人も多いんだろうなー。って、納得したわ……」

「それにたらし込まれた本人だしね」

「そうなの……心臓もたない」


「まぁ、あたし達としてはね。あの唯子が、自分の恋愛のことにはサッパリだった唯子が、こうやって恋愛事に右往左往してるってことがまず感動的」

「そうそう」

「ひな鳥の巣立ちを見つめてる気分だね」

「何それ……」

「唯子は唯子のペースで頑張りな」

「恋愛初心者なんだし」

「うん、そうする。もうね、告白とかね、思いも寄らないっていうかね。するつもりは、今のところ全然無い」

「え、そうなの?」

「そうだよ。だって私、付き合いたいとか全然思ってないよ?」

「そうなの!?」

「うん。好きだなぁ、とは思うけど。別にどうこうないたいわけじゃない」

「そうなんだ……」

「今はこのままでいい感じ。なんか、昔、千佳が言ってたことがわかる気がする」

「え?あたし?何か言った?」

「片想いは、最初は楽しいよって、言ってた」

「そんなこと……うーん、言ったかも」

「言ったよ。今は何となく意味がわかる。ほら、遠目にでも、好きな人見つけたら嬉しくならない?」

「ああ、わかるわかる。自分に向けられたものじゃなくても、笑顔見れたらハッピー、みたいな?」

「声が聞けたらラッキー、みたいな?」

「そうそう。そんで、そのハッピーポイントが、ちょっとずつ溜まっていく感じが……ちょっと楽しい。かもしれない、なんて」

「そっかぁ」

「うん。今んとこ、そんな感じです」

「そっかぁ……うん、よかった。唯子が楽しいなら、あたしも嬉しい」

「香苗も嬉しいー」

「真由美も嬉しい……けど、ちょっと寂しいー」

「なんでよ?」

「だってさー、唯子が恋をして大人になってきれいになって、そしていつかはどっかの男に連れて行かれちゃうわけでしょう。あたしの唯子が……」

「いや、私は真由美のじゃないし」

「それに真由美には湯川先輩がいるじゃん」

「だから違うってば!」

「もうさっさとくっつけばいいのに!」


 そして結局わいわいと騒がしく時間は過ぎていく。みんなでこうやって過ごす時間が大好きだ。

 それからは、私が髪を切ろうと思うんだけど、と言ったことから、ヘアスタイルの話になっておしゃれの話になって、みんなで似合う髪型について話し合ったりして。


 思いっ切りおしゃべりできて、ほんとに楽しかった。

さて、わかりにくかったでしょうか……。こういう会話ばっかりの話も好きです。

わかりにくかったらごめんなさい。

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