登場人物紹介
登場人物は、K’sキッチン 〜恋愛感情ゼロの美味しい料理〜 を読んでもらえれば、判ります。
以上
……としたいところですが、あちらも長くなったので、まず、要点と何処を読めば、概要が判るかを書きます。
下の方には、第一部を読まなくてもわかる様に必要な情報をまとめておきますが、ネタバレになるので、読んでない方はご注意を。
鈴木啓介 大学四年生になりました。料理が好きで、人の喜ぶ姿が大好きです。しかし恋愛感情は全く判りません。
1. 間話 啓介と盆栽
2. 太輝とミネストローネ
3. 美咲とスズキ
幼神璃子ようがみりこ 啓介の幼なじみです。啓介を守る人です。
1. 璃子とラーメン
2. 美咲とスズキ
3. スピンオフ あとがき、ボツ話
福山千春 30代半ばの会社経営者です。啓介とは姉弟みたいな関係です。
啓介と璃子のパーソナリティを理解していますが、このままではいけないとも感じています。
1. 千春とパエリア
2. 千春とモンブラン
3. 璃子とラーメン
佐久夜胡葉さくやこのは このシリーズで初めて登場する人物です。
千春の後輩で、フードイベントコーデイネーターをしています。
千春の紹介で、啓介と仕事をするようになりました。
以下第一部のネタバレを含みます。
■鈴木啓介
成長してもなお「恋愛感情」という概念が欠落しており、男女間の機微を実感として捉えられない大学生。
男女の違いすら実感できていないが、これにより問題を起こさないようにするため、彼は“社交的マナー”としての振る舞いで日常を補っている。
男性としてのスペックは高く、他者を喜ばせるための手料理や細やかな気遣いは、計算ではなく自然体の優しさとして振る舞われる。
それゆえ、女性たちは彼から「特別な好意」を向けられていると錯覚し、深みへと嵌っていく。
しかし、彼には相手を愛する機能も、突き放す悪意もない。
相手の恋心に気づかぬまま、結果として深い絶望や重い選択を強いてもなお、彼はその罪の重さを永遠に理解しない。
■幼神璃子
啓介の幼なじみ。
幼い頃はただ気の合う友達でしかなかったが、成長とともに男女の違いを理解するようになり、啓介の無自覚さに苛立ちを覚えながらも、次第に彼へ恋心を寄せていく。
高校時代、感情に任せて啓介へ酷い言葉を浴びせてしまうが、その直後に彼の献身によって命と精神を救われ、価値観が劇的に変わる。
以来、彼女にとって啓介は恋慕の対象を超え、守るべき“聖域”となった。
「自分の存在意義は啓介を守ること」──その歪んだ使命感は、彼女を過激な行動へと駆り立てる。
啓介に好意を抱いて近づく女性は、彼の平穏を乱し、傷つける可能性のある“脅威”でしかない。
排除のためなら手段は選ばず、どんな犠牲も厭わない。
それが、彼女が自らに課した絶対的な愛の形である。
■福山千春
若くして富と名声を手にした、才色兼備の実業家。
完璧に見える仮面の裏には、埋められない渇望と危うい均衡が隠されている。
かつて啓介に淡い期待を抱いたが、彼が自分を“異性”として認識していない事実に直面し、絶望の中でその恋を封じ込めた。
一度は彼から離れたものの、精神の安定には彼の存在が不可欠であることを痛感し、現在は「姉弟のような距離感」という安全地帯に身を置いている。
啓介の他に類の無い個性と、璃子の狂気的な献身──その両方を理解する唯一の人物として、彼女は静かに危惧している。
このままでは破滅的な未来が訪れる。
その結末を回避するため、彼女は密かに動き続ける。




