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プロローグ
世には、数え切れぬほどの女神たちが息づいている。
天穹を焦がす太陽、帰路を導く月。
儚さを彩る花、魂を震わす美。
秩序を導く闘争、尽きせぬ再生。
遍く注ぐ慈愛、闇に蠢く憎悪。
そして──運命を織り、時を紡ぐ永遠の女神。
彼女たちの祈りは星々の囁きとなり、遥かなる彼方より人の心に染み渡り、忘れられた夢をそっと呼び覚ます。
名を呼ばれし刹那、眠れる女神は目覚め、秘められた夢は、ひとひらの花弁となる。
いま──その想いのひとかけらが、静かに、しかし確かな息吹をもって芽生え、
新たな物語の灯火を、世界へと照らし出す。




