肉を焼く
ジュー
私は肉を焼いている。
生きていない、死体の肉。
この子たちは自分が殺されることを理解して生きていたのだろうか。それとも、死の直前に悟ってようやく恐怖を抱いたのだろうか。
私は色の変わった肉を口に運び、咀嚼する。相変わらず美味しい。
私が肉の焼ける匂いや、焼く火の熱さも好きだなぁと耽っていたら、もう切り分けられた肉は無くなってしまった。
まだ満足していなかった私は本職の人に声をかけた。
「店員さーん、カルビ一つ、いや二つ追加でー」
「わかりましたー!」
周りの客の席から漂う焼き肉の匂いを嗅ぎながら、私は肉が届くのを待った。